「インセプション」のネタバレ
2010.07.18 (Sun)
物語は海岸で波打ち際に横たわるコブ(レオナルド・ディカプリオ)で始まる。彼が持っているのは拳銃と紡錘形の独楽(コマ)だった。年老いた姿のサイトー(渡辺謙)は、「私を殺しに来たのか…お前を見たことがある」と話す。
その後、シーンは変わり、コブ(レオナルド・ディカプリオ)と若返ったサイトー(渡辺謙)の会食シーンとなる。コブは「無防備となる夢で、アイデアを盗まれる危険性がある。盗られたくなければ、私を信用しろ」と説得するが、サイトーは「考えておく」と信じる様子ではなかった。実は、すでに彼らはサイトーの夢の中で話していた。コブはサイトーのアイデアをターゲットとして狙うが、亡くなった妻の投影の邪魔立てにより失敗する。
だが、そこはサイトーの夢の2階層目だった。1階層目の夢で、さらにサイトーのアイデアを盗もうとするが、夢だと気づかれてしまい、また失敗する。失敗を許さない雇い主から逃亡を図ろうとするコブ達だったが、サイトーがその前に現れる。
コブと相棒のアーサー(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)は、彼から仕事を依頼される。依頼内容は、ライバル会社の解体を目的とし、その競合会社の会長の息子・ロバート・フィッシャー(キリアン・マーフィー)にさせるようアイディアを"植えつける(インセプション)"ことだった。困難かつ危険な内容に一度は断るものの、妻殺しの容疑をかけられているコブは、犯罪歴の末梢を条件に仕事を引き受けた。
夢の世界を構築する「設計士」のアリアドネ(エレン・ペイジ)、他人になりすましターゲットの思考を誘導する「偽装士」のイームス(トム・ハーディ)、夢の世界を安定させる鎮静剤を作る「調合士」のユスフ(ディリープ・ラオ)をメンバーに加え、作戦を決行する。
作戦としては、ロバートの夢の第3階層にまで到達し、そこで「父親とは別の道、自分の思った道を進め(会社を解体しろ)」というメッセージを埋め込むというものだった。
飛行機に乗ったロバートを眠らせ、作戦は決行された。10時間のフライトであったが、夢は階層を重ねる毎に進む時間がゆっくりとなる。夢での1時間は、現実世界での5分である。第1階層では5日間、第2階層では1ヶ月、第3階層では半年近くになる。
・第1階層
コブたちは、ロバートの夢の中に潜入した矢先に襲撃を受けてしまう。ロバートは企業スパイに備え、潜在意識の防護訓練を受けていたのだった。その襲撃で、サイトーは胸部に傷を負う。本来ならば、命を落とすと夢から醒めるだけだが、鎮静剤を用いて眠っていると、潜在意識の中に閉じ込められてしまい、目覚めることはない。作戦を急ぎ、サイトーが命を落とす前に成功させなくてはならない。
ロバートを監禁し、「父親の金庫の暗証番号を教えろ」と迫る。そこに、父親の右腕であり、大企業の幹部であるピーター・ブロウニング(トム・ベレンジャー)が現れ、ともに脅迫される。実は、このピーターは他人になりすましターゲットの思考を誘導する「偽装士」のイームスである。ロバートの夢の中での防衛部隊は、彼らを救おうとコブたちをなおも襲撃する。
命からがら逃げ出したコブたちは、目覚めるために橋の上に車を走らせ、目覚める合図である着水のために橋から車ごと落下する。
・第2階層
コブたちは、ホテルのバーにいる。ロバートに「これは夢であり、誘拐犯たちに侵入されている。助かりたければ、私に従って下さい」と提案する。ロバートはそれを信じ、ホテルの一室に逃げ込む。そこでは、夢に侵入する装置が置かれており、コブは「犯人たちは、ロバートのさらなる下層である夢に侵入し、ロバートをコントロールしようとしている」と吹き込む。
そこの一室に入り込んできたのは会社の幹部であるピーター・ブロウニング(実態はピーターを犯人の一味であると吹き込まれ、怪しんでいるロバートの投影)だった。ピーターは「ロバートの父親の遺言で、自分の道を進ませようとしている(会社を解体することもロバートに可能とさせている)。そんなことはさせない!会社を解体させることはさせない!」と話す。
コブは「ピーターの狙いを探るため、彼の夢の中に侵入しよう」とピーターに提案する。だが、実際はロバートの夢である第3階層に侵入させようとするのだった。
・第3階層
ロバートの潜在意識は、雪山にある要塞を映し出していた。その要塞の中に、父親が死ぬ間際で残したかった言葉の意味がある、とコブはロバートに暗示する。そして、彼ら一行は防衛部隊が守る要塞へと侵入していく。
ところが、あと一歩のところでコブの亡き妻モル・コブ(マリオン・コティヤール)が現れ、ロバートを銃撃してしまう。作戦の失敗・終了を宣言するコブだったが、「設計士」アリアドネは「第4階層に潜り、時間を稼いでロバートを救いだそう」と提案する。その案にコブは最後の希望を託す。
・第4階層
第4階層は、コブが作り出した潜在意識の世界だった。妻であるモルと50年もの日々(現実世界では数日)を過ごした思い出の地であった。そこでコブは、アリアドネに妻モルが亡くなった経緯を話す。
「(潜在意識の世界で)何十年もの日々を過ごす内に、モルは『現実に帰りたくない』と言い出した。そして、現実へと帰るためのトーテム(モルの場合、冒頭のシーンに出て来た紡錘形の独楽だった。夢の中では、独楽は回り続ける。それが現実と夢の世界の違いを分からせてくれる)を金庫にしまい込んでしまった」
「俺はそれを見つけ出し、モルにあるアイデアを吹き込んだ。それは、『ここは現実の世界ではない。だから、現実に戻るために一緒に死のう。そうして、望んだ地にたどり着くための汽車に一緒に乗ろう』というものだった」
「だが、潜在意識に植え付けたそのアイデアは、現実世界に戻っても作用しつづけた。現実を現実として受け止めることができなくなっていた。そんな中で、結婚記念日にホテルで会ったが、そこでモルは『一緒に死んで。一緒に現実世界に戻りましょう』と言ってホテルの一室から飛び降りてしまった」と語った。
その世界で、コブは長年、罪の意識に苛まれながらも夢の世界で一緒に暮らし続けたモルと決別することを決意する。そして、崩れゆく世界の中で、サイトーを救い出そうと、さらに深層意識の中を漂うことにした。
ロバートは第3階層で目を覚ます。そして、亡き父と再び相見えることができた。病床の父親は「失望した…そう私は言ったが、それは私の真似ばかりをするお前に失望したのだ。お前は、お前自身の道を歩んでいけ」と語りかけた。
シーンは、冒頭に戻る。潜在意識の中で漂い続けたサイトーにコブは出会う。そして、「現実世界に帰るんだ」と促す。サイトーは、拳銃をこめかみに当てた。
その後、コブの一行は無事に帰還を果たす。ロバートも無事に生還し、父親との対話の余韻に浸っていた。そして、コブは子供たちの待つ家に戻っていった。コブは、テーブルでトーテムである独楽を回した。ラストシーンで、その独楽は回り続ける。独楽が止まれば、現実だと分かる。だが、独楽が止まる瞬間を観客は見ることが出来ない。
果たして、これは夢なのか現実なのか…。
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その後、シーンは変わり、コブ(レオナルド・ディカプリオ)と若返ったサイトー(渡辺謙)の会食シーンとなる。コブは「無防備となる夢で、アイデアを盗まれる危険性がある。盗られたくなければ、私を信用しろ」と説得するが、サイトーは「考えておく」と信じる様子ではなかった。実は、すでに彼らはサイトーの夢の中で話していた。コブはサイトーのアイデアをターゲットとして狙うが、亡くなった妻の投影の邪魔立てにより失敗する。
だが、そこはサイトーの夢の2階層目だった。1階層目の夢で、さらにサイトーのアイデアを盗もうとするが、夢だと気づかれてしまい、また失敗する。失敗を許さない雇い主から逃亡を図ろうとするコブ達だったが、サイトーがその前に現れる。
コブと相棒のアーサー(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)は、彼から仕事を依頼される。依頼内容は、ライバル会社の解体を目的とし、その競合会社の会長の息子・ロバート・フィッシャー(キリアン・マーフィー)にさせるようアイディアを"植えつける(インセプション)"ことだった。困難かつ危険な内容に一度は断るものの、妻殺しの容疑をかけられているコブは、犯罪歴の末梢を条件に仕事を引き受けた。
夢の世界を構築する「設計士」のアリアドネ(エレン・ペイジ)、他人になりすましターゲットの思考を誘導する「偽装士」のイームス(トム・ハーディ)、夢の世界を安定させる鎮静剤を作る「調合士」のユスフ(ディリープ・ラオ)をメンバーに加え、作戦を決行する。
作戦としては、ロバートの夢の第3階層にまで到達し、そこで「父親とは別の道、自分の思った道を進め(会社を解体しろ)」というメッセージを埋め込むというものだった。
飛行機に乗ったロバートを眠らせ、作戦は決行された。10時間のフライトであったが、夢は階層を重ねる毎に進む時間がゆっくりとなる。夢での1時間は、現実世界での5分である。第1階層では5日間、第2階層では1ヶ月、第3階層では半年近くになる。
・第1階層
コブたちは、ロバートの夢の中に潜入した矢先に襲撃を受けてしまう。ロバートは企業スパイに備え、潜在意識の防護訓練を受けていたのだった。その襲撃で、サイトーは胸部に傷を負う。本来ならば、命を落とすと夢から醒めるだけだが、鎮静剤を用いて眠っていると、潜在意識の中に閉じ込められてしまい、目覚めることはない。作戦を急ぎ、サイトーが命を落とす前に成功させなくてはならない。
ロバートを監禁し、「父親の金庫の暗証番号を教えろ」と迫る。そこに、父親の右腕であり、大企業の幹部であるピーター・ブロウニング(トム・ベレンジャー)が現れ、ともに脅迫される。実は、このピーターは他人になりすましターゲットの思考を誘導する「偽装士」のイームスである。ロバートの夢の中での防衛部隊は、彼らを救おうとコブたちをなおも襲撃する。
命からがら逃げ出したコブたちは、目覚めるために橋の上に車を走らせ、目覚める合図である着水のために橋から車ごと落下する。
・第2階層
コブたちは、ホテルのバーにいる。ロバートに「これは夢であり、誘拐犯たちに侵入されている。助かりたければ、私に従って下さい」と提案する。ロバートはそれを信じ、ホテルの一室に逃げ込む。そこでは、夢に侵入する装置が置かれており、コブは「犯人たちは、ロバートのさらなる下層である夢に侵入し、ロバートをコントロールしようとしている」と吹き込む。
そこの一室に入り込んできたのは会社の幹部であるピーター・ブロウニング(実態はピーターを犯人の一味であると吹き込まれ、怪しんでいるロバートの投影)だった。ピーターは「ロバートの父親の遺言で、自分の道を進ませようとしている(会社を解体することもロバートに可能とさせている)。そんなことはさせない!会社を解体させることはさせない!」と話す。
コブは「ピーターの狙いを探るため、彼の夢の中に侵入しよう」とピーターに提案する。だが、実際はロバートの夢である第3階層に侵入させようとするのだった。
・第3階層
ロバートの潜在意識は、雪山にある要塞を映し出していた。その要塞の中に、父親が死ぬ間際で残したかった言葉の意味がある、とコブはロバートに暗示する。そして、彼ら一行は防衛部隊が守る要塞へと侵入していく。
ところが、あと一歩のところでコブの亡き妻モル・コブ(マリオン・コティヤール)が現れ、ロバートを銃撃してしまう。作戦の失敗・終了を宣言するコブだったが、「設計士」アリアドネは「第4階層に潜り、時間を稼いでロバートを救いだそう」と提案する。その案にコブは最後の希望を託す。
・第4階層
第4階層は、コブが作り出した潜在意識の世界だった。妻であるモルと50年もの日々(現実世界では数日)を過ごした思い出の地であった。そこでコブは、アリアドネに妻モルが亡くなった経緯を話す。
「(潜在意識の世界で)何十年もの日々を過ごす内に、モルは『現実に帰りたくない』と言い出した。そして、現実へと帰るためのトーテム(モルの場合、冒頭のシーンに出て来た紡錘形の独楽だった。夢の中では、独楽は回り続ける。それが現実と夢の世界の違いを分からせてくれる)を金庫にしまい込んでしまった」
「俺はそれを見つけ出し、モルにあるアイデアを吹き込んだ。それは、『ここは現実の世界ではない。だから、現実に戻るために一緒に死のう。そうして、望んだ地にたどり着くための汽車に一緒に乗ろう』というものだった」
「だが、潜在意識に植え付けたそのアイデアは、現実世界に戻っても作用しつづけた。現実を現実として受け止めることができなくなっていた。そんな中で、結婚記念日にホテルで会ったが、そこでモルは『一緒に死んで。一緒に現実世界に戻りましょう』と言ってホテルの一室から飛び降りてしまった」と語った。
その世界で、コブは長年、罪の意識に苛まれながらも夢の世界で一緒に暮らし続けたモルと決別することを決意する。そして、崩れゆく世界の中で、サイトーを救い出そうと、さらに深層意識の中を漂うことにした。
ロバートは第3階層で目を覚ます。そして、亡き父と再び相見えることができた。病床の父親は「失望した…そう私は言ったが、それは私の真似ばかりをするお前に失望したのだ。お前は、お前自身の道を歩んでいけ」と語りかけた。
シーンは、冒頭に戻る。潜在意識の中で漂い続けたサイトーにコブは出会う。そして、「現実世界に帰るんだ」と促す。サイトーは、拳銃をこめかみに当てた。
その後、コブの一行は無事に帰還を果たす。ロバートも無事に生還し、父親との対話の余韻に浸っていた。そして、コブは子供たちの待つ家に戻っていった。コブは、テーブルでトーテムである独楽を回した。ラストシーンで、その独楽は回り続ける。独楽が止まれば、現実だと分かる。だが、独楽が止まる瞬間を観客は見ることが出来ない。
果たして、これは夢なのか現実なのか…。
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