パーフェクト・リポートの主要キャスト

・蒼山叶：松雪泰子
一見美人で仕事の出来るキャリアウーマンだが、その中身はひとつのネタを追い始めると他のことを考えられなくなってしまう性格で、新人の時に取材した未解決事件だけを15年間他の部署に異動しても追い続けているため、お荷物的な存在になっている。元社会部。

・赤坂 衆：小出恵介
オンエアには乗らないネタは取材する意味が無いと割り切り、無駄なことは一切やらない主義を持つ。考え方が対照的な蒼山と衝突することもしばしば。元政治部。

・奥澤 緑：相武紗季
キャピタルテレビジョンの人気女子アナウンサーで、「彼女にしたいアナウンサー」に毎年1位にランクインしている。バラエティ専門で、バラエティ気質が強い。報道の知識が無く、ある日の深夜、アナウンス部に彼女しかいなかったために読むことになった緊急ニュースで間違いを連発し、報道の勉強目的で3ヶ月の期限付きで遊軍取材班に飛ばされた。

・黄田 功：要潤
報道カメラマン。しかし本来は映画カメラマン志望であり、現場ではゆったりとした画ばかりを撮影し、ニュースでは使い物にならなった。映画監督気取りで、偏屈な性格。過去に妻に逃げられ、現在娘を持つシングルファーザー。

・白石 弘：小日向文世
一見人が良さそうであるが、情報を得るためにその人の良さそうなことを利用して取材対象者を騙すため、取材先からのクレームが絶えないことから、遊軍取材班に飛ばされた。

第01話 「最低女上司と初めてのスクープ」

ボーリング場で興じる1人の女、蒼山叶(松雪泰子)。彼女は、CTN (キャピタル・テレビジョン・ネットワーク)の報道部員だった。

一方、キャピタルテレビの報道局・遊軍取材班へ人気女子アナ奥澤緑（相武紗季）が飛ばされてきた。遊軍取材班は、報道局のあらゆる部のヘルプを担う部署だが、実際は必要とされない人が集められた部署だった。奥澤緑は深夜の緊急ニュースで、七五三外務大臣の名前「七五三（しめ）」を「しちごさん」と読んだため、報道を勉強するという名目で3ヶ月の期限付き移動となったのだった。

ある日、ハリス国務長官との日米会談の直前に、総理大臣の宮島清一郎（石橋凌）が行方不明になった。
このため、キャピタルテレビ報道局は緊急体制を敷いた。蒼山叶（松雪泰子）も取材へ出ようとするが、遊軍取材班へ飛ばされた蒼山叶は多摩川に現れたアザラシ「タマタマちゃん」の取材を命じられた。

補佐官の滝田俊之（中丸新将）が、宮島清一郎総理は体調を崩して病院で診察を受けていたと発表し、騒動は収束した。しかし、急な体調不良で医師の診察を受けた宮島清一郎総理がそのまま入院せずに戻ってきたことに不信感を抱いた蒼山叶は、行方不明になる前と後との宮島清一郎総理の画像を見比べた。

すると、戻ってきた時の宮島清一郎総理はネクタイピンをしていることが分かった。蒼山叶は遊軍取材班の部下に総理大臣のネクタイピンについて調べるように命じた。蒼山叶は宮島清一郎総理のぶら下がり取材に潜入し、病院まで何で移動したのかを質問し追求するが、キャピタルテレビ報道部政治班の赤坂衆（小出恵介）に止められ、苦情を言われる。遊撃取材班の調べにより、ネクタイピンはオーダーメイドで、行方不明になった間に入手した可能性が出て来た。

タマタマちゃんの目撃情報を取材していた、白石弘（小日向文世）は総理大臣が清掃車に乗っていたという目撃情報を入手する。過去のVTRから、宮島清一郎総理が行方不明になっている時間帯に、政府御用達の清掃車が多摩川付近を走っていたことを確認した。しかし、蒼山叶（松雪泰子）には報告しなかった。

黄田功（要潤）は、宮島清一郎総理が休みの日に総理秘書が行きつけの花屋で花を買っていたことを入手する。蒼山叶（松雪泰子）は、ニュース編集部デスクの黒井彰（平山浩行）の根回しにより遊軍取材班へ飛ばされたことを知るが、気にしなかった。

遊軍取材班の調べにより、ネクタイピンは宮島清一郎総理（石橋凌）の出身校・帝都大学ラグビー部の物だと分かる。ネクタイピンは第45代ラグビー部が大学選手権で優勝したときに記念品として作ったものだった。しかし、宮島清一郎総理は第25代だった。

総理が清掃車に乗っていたことを聞いた蒼山叶（松雪泰子）は、宮島清一郎総理は行方不明になっている間に東京都町田周辺にある病院へ行ったのではないかと推測した。白石弘（小日向文世）の調べにより、帝都大学ラグビー部の第45代ラグビー部員に宮島清一郎総理と接点がある者はいなかったが、連絡がつかない者が3人いることが判明した。

蒼山叶が政府御用達の清掃車に取材したため、政府からキャピタルテレビへクレームが入り、遊軍取材班に取材中止が命じられる。遊軍取材班メンバーは取材を中止したが、蒼山叶は1人で取材を続けた。

蒼山叶が連絡のつかないラグビー部員3人について調べていると、町田にある病院で、総理が行方不明になった日に帝都大学ラグビー部45代部員の早川大樹（水元基）が死亡したことを知る。蒼山叶は総理補佐官の滝田俊之（中丸新将）に、宮島清一郎総理は行方不明になった間に早川大樹（水元基）へ会いに言ったのではないかという推測を話す。

滝田俊之補佐官から聞いた総理の行きつけの散髪屋へ行き、蒼山叶は宮島清一郎総理から真相を聞いた。死亡した早川大樹（水元基）は15年前に宮島清一郎総理のSPを務めていた人物だった。蒼山叶は帝都大学ラグビー部へ1人でカメラを取材へ向かった。取材中止命令に従っていたカメラマンの黄田功（要潤）や紫村健（小柳友）が蒼山叶の後を追う。奥澤緑（相武紗季）も後を追った。

宮島清一郎総理は記者会見を開き、日米会談をキャンセルした本当の理由を発表し、辞任を表明した。総理が詳細を明かさなかったため、記者たちは糾弾するが、総理は退席してしまう。

その時、キャピタルテレビが事件の真相を報じた。宮島清一郎総理が日米会談をキャンセルして会いに行ったのは、15年前にSPを務めていた早川大樹（水元基）の最後を看取るためだった。宮島清一郎総理は、ネクタイピンからSPの早川大樹が帝都大学ラグビー部の後輩だと知り、公私ともに親しくしていた。

宮島清一郎総理が大臣だった15年前、秘密裏に会談を行ったホテルで火災事故が起きた。宮島清一郎総理らはエレベーターに乗ったが、重量オーバーでドアが閉まらなかった。宮島清一郎総理が降りようとすると、SPの早川大樹は思いを宮島清一郎総理に託して、エレベーターから降りた。

早川大樹はこの火災事故で意識不明となり、植物人間状態だった。そして、意識が戻らないまま日米会談の日に死亡したのだった。

赤坂衆（小出恵介）が、政治部に話を通さずに蒼山叶（松雪泰子）のVTRを流したことをニュース編集ディスクの黒井彰（平山浩行）に抗議すると、黒井彰は赤坂衆に、遊撃班へ移動し蒼山叶（松雪泰子）を監視するように命じた。赤坂衆は、政治部の出世コースとなるアメリカ・ワシントン支局への赴任を条件にスパイ役を引き受けることになった。

大スクープをものにした蒼山たち、遊軍取材班は再びアザラシの取材に戻っていた。

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