SPEC 第04話 「丁の回」-希死念慮の饗宴-

ある日、警視庁公安部公安第五課、未詳事件特別対策係、通称“未詳”に相談者がやって来た。捜査一課弐係、近藤係長（徳井優）に連れられた相談者は、古戸久子（奥貫薫）。自殺者遺族ネットワークの会長を努める人物で、昨夜、一年前に自殺した娘から「幹事に殺される。助けて」とのメールが届いたのだと言う。

久子によると娘・美智花（三浦由衣）は、自殺サークル「パーフェクト・スーサイド(PS)」に入っていて、一年前の10月30日に自殺すると言い残し、家を飛び出した。その三日後、美智花の遺書と遺品が送られてきたが、死体は見つかっていない。

実はこの自殺サークル、「死体をこの世に残さない」のが掟であった。その自殺の遂行方法とは、7人でグラスに入ったワインを飲み干す。6人分には毒が入れられており、残りの1人分には睡眠薬が入っている。その1人が管理人となり、死体の処理、遺品配送、次の自殺決行募集までを行う。

美智花の死を納得できずにいた久子は、娘から届いたメールを見て、娘がどこかで生き延びていると確信。そして、自分に助けを求めているのだと主張する。

当麻（戸田恵梨香）は久子に届いた「死者からのメール」に興奮し、そのサークルの参加者を調べ始める。当麻は、瀬文（加瀬亮）、近藤、そして久子と共に、“パーフェクト・スーサイド”で家族を失った遺族への聞き込みを開始する。
遺品を回収していると、奇妙なことが判明する。それは、遺品にそれぞれ傷が付いていたということ。そこから、瀬文たちは「自殺サークルで、その参加者たちは無残にも殺害されたのではないか。そして、その犯人は元・傭兵の男、そして3度も自殺決行に立ち会っている男ではないか」と考えた。

そこで、当麻たちは自殺サークルに参加し、犯人に会うこととした。危険だと説得したが、古戸久子は参加すると聞かない。そして、山奥のコテージで集会は始まった。そこで待ち受けていたのは、車イスに乗り、ボイスチェンジャーで加工された音声で話す人物。

いざワインを飲み干す、という段になり、古戸久子はその管理人に詰め寄る。「あなたが娘を殺したの？」と。だが、それは人形であった。スプリンクラーからオイルが撒き散らされる。「焼き殺すつもりか？」と待避するように促す瀬文。そして、そこにはフルフェイスの管理人らしき人物がそこにはいた。

管理人はバイクで逃亡した。だが、崖から転落しを遂げた。自殺か事故か…付近の現場検証から、ブレーキ痕があったことより、事故である可能性が高いと考えられた。そして、その管理人の身元が調べられた。

当麻は、一連の事件について一つの結論に至った。そして、古戸久子を問い詰める。「あなたが念動力(サイコキネシス)でバイクのブレーキを破壊したのではないですか？」と。そして、「遺品を回収する際に同行し、念動力であらかじめ破壊していったのではないですか？」と。

古戸久子の娘が参加した回では、実は殺人などは起こらず、自ら命を絶つことになった。そして、その回の管理人に古戸久子が選ばれた。そして、次の回に古戸久子らが参加してきたため、燃えにくいオイルを撒いて追い払おうとした。だが、古戸久子がバイクのブレーキを破壊し、崖から転落死することになった。古戸久子は自分自身の手で娘を殺してしまったのだった。

「久子さん、あなたはバイクに乗らないのではないですか？乗る人だったら、左手のクラッチレバーを破壊するなんて無駄なマネはしません。右足のブレーキペダルを破壊します」と、久子が犯人であるとの根拠を滔々(とうとう)と聞かせる当麻。「開けにくかった蔵の鍵は、ねじ切れていました。力で破壊するのならば、ギザギザな切り口ができるはずです」と、その念動力というSPECの存在を疑った理由についても当麻は説明する。

久子は、「自殺サークルなんかがあったり、警察が動こうとしなかったから娘は死んだんだ」と、娘の携帯メールを自作自演し、遺品を破壊するなどして殺人犯の存在を仄めかしたことなどの動機を語った。そして、観念せずに念動力で応戦する。瀬文も取り押さえに掛かるが、はじき飛ばされてしまう。その中で、コンセントの導線を剥き出しにし、押し当てることで感電させ、瀬文は久子を取り押さえた。

そこに、公安の人間たちが事態鎮静に乗り出してきた。瀬文たちを気絶させ、久子を運びだしていた。今回、一十一(ニノマエジュウイチ)は左手負傷のため、海野（安田顕）の夜間の外来を受診していた。

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