「蜩ノ記」のネタバレ・あらすじ
2012.03.06 (Tue)
【登場人物】
・戸田秋谷:元・郡奉行であったが、「前藩主の側室(お由の方)と不義密通を犯した」との罪で向山村に幽閉されている。家譜編纂が終了した後、十年を経ての切腹を命じられていた。公明正大、別け隔てのない人柄から、村人たちから幽閉された今も慕われていた。
・檀野庄三郎:城内で刃傷沙汰に及んだが、からくも切腹を免れ、家老により向山村に幽閉中の元郡奉行・戸田秋谷の元へ遣わされる。
・中根兵右衛門:家老。庄三郎に秋谷の監視を申し付ける。
・戸田郁太郎:秋谷の嫡男。
・源吉:農民である万治の長男。郁太郎とは友人。
・お由の方:前藩主の側室。「秋谷との不義密通事件」以降、出家している。
・お美代の方:前藩主の側室。兵右衛門の後押しにより、側室となった。
【あらすじ】
豊後・羽根藩の奥祐筆・檀野庄三郎は、友人である水上信吾と城内で刃傷沙汰に及んだ末、からくも切腹を免れ、家老により向山村に幽閉中の元郡奉行・戸田秋谷の元へ遣わされる。
秋谷は七年前、前藩主の側室と不義密通を犯した廉で、家譜編纂と十年後の切腹を命じられていた。庄三郎には編纂補助と監視、七年前の事件の真相探求の命が課される。だが、向山村に入った庄三郎は秋谷の清廉さに触れ、その無実を信じるようになり、秋谷の切腹阻止に乗り出す。
【ネタバレ】
・秋谷は、前藩主の側室(お由の方)と不義密通など犯していなかった。当時、側室であるお由の方、お美代の方、どちらが前藩主の寵愛を受けるか、といった争いがあった。
・お由の方は、毒物を食事に混入され、暗殺されそうになっていた。そして、さらには屋敷内で賊に襲撃されてしまう。それを救ったのが秋谷だった。ところが、お由の方を安全な場所へと移したその晩、不義密通があったのではないか、と邪推されてしまったのだ。
・こうした裏には、家老・兵右衛門が暗躍していた。お美代の方を側室に後押ししたのも彼だった。ところが、お美代の方には秘密があった。血筋を偽り、側室となっていたのだ。当然、兵右衛門はそれを知っており、商人とともに手を組み、お美代の方を側室にとさせたのだった。
・お美代の方の血筋を記した家系図は、兵右衛門にとってその立場を一気に危うくするものだった。その家系図は、"家譜を作成する"とのことで、秋谷のもとに渡っていたのだ。もちろん、秋谷はそれほどの秘密が潜んでいるとは知らなかった。
・秘密に気づいた秋谷、庄三郎。そこへ、家老・兵右衛門は「秋谷は農民たちと一揆を画策している」などと決めつけ、証拠を探しにやってくる。その最中、秋谷の嫡男・郁太郎の友人、源吉が激しい取り調べの中、命を落とす。
・義憤に燃える郁太郎は、家老・兵右衛門に一太刀浴びせるため、城内に向かう。庄三郎もそれに同行した。見事、兵右衛門に一泡吹かせることに成功したが、秋谷、郁太郎は牢に囚われる。
・家老・兵右衛門は、「お美代の方の家系図をよこせば、秋谷、庄三郎を解放する」と取引を持ちかける。それに応じる秋谷。
・ところが、既にその家系図は複製を寺院に保管されていた。もはや兵右衛門の手が及ぶ場所にはなかった。本来ならば、お美代の方、兵右衛門の秘密を盾に切腹を免れることも可能だったが、秋谷はそれをしなかった。自身の命と引き換えに、秋谷は農民たちの一揆を抑えこむこもうとしたのだった。最後まで、彼は他者のために行動しつづけた。
・薫の結婚、郁太郎の元服を見届けた後、秋谷は切腹を行った。
・家老・兵右衛門を越え、追い落とすため、庄三郎は郁太郎に協力する、と誓った。
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・戸田秋谷:元・郡奉行であったが、「前藩主の側室(お由の方)と不義密通を犯した」との罪で向山村に幽閉されている。家譜編纂が終了した後、十年を経ての切腹を命じられていた。公明正大、別け隔てのない人柄から、村人たちから幽閉された今も慕われていた。
・檀野庄三郎:城内で刃傷沙汰に及んだが、からくも切腹を免れ、家老により向山村に幽閉中の元郡奉行・戸田秋谷の元へ遣わされる。
・中根兵右衛門:家老。庄三郎に秋谷の監視を申し付ける。
・戸田郁太郎:秋谷の嫡男。
・源吉:農民である万治の長男。郁太郎とは友人。
・お由の方:前藩主の側室。「秋谷との不義密通事件」以降、出家している。
・お美代の方:前藩主の側室。兵右衛門の後押しにより、側室となった。
【あらすじ】
豊後・羽根藩の奥祐筆・檀野庄三郎は、友人である水上信吾と城内で刃傷沙汰に及んだ末、からくも切腹を免れ、家老により向山村に幽閉中の元郡奉行・戸田秋谷の元へ遣わされる。
秋谷は七年前、前藩主の側室と不義密通を犯した廉で、家譜編纂と十年後の切腹を命じられていた。庄三郎には編纂補助と監視、七年前の事件の真相探求の命が課される。だが、向山村に入った庄三郎は秋谷の清廉さに触れ、その無実を信じるようになり、秋谷の切腹阻止に乗り出す。
【ネタバレ】
・秋谷は、前藩主の側室(お由の方)と不義密通など犯していなかった。当時、側室であるお由の方、お美代の方、どちらが前藩主の寵愛を受けるか、といった争いがあった。
・お由の方は、毒物を食事に混入され、暗殺されそうになっていた。そして、さらには屋敷内で賊に襲撃されてしまう。それを救ったのが秋谷だった。ところが、お由の方を安全な場所へと移したその晩、不義密通があったのではないか、と邪推されてしまったのだ。
・こうした裏には、家老・兵右衛門が暗躍していた。お美代の方を側室に後押ししたのも彼だった。ところが、お美代の方には秘密があった。血筋を偽り、側室となっていたのだ。当然、兵右衛門はそれを知っており、商人とともに手を組み、お美代の方を側室にとさせたのだった。
・お美代の方の血筋を記した家系図は、兵右衛門にとってその立場を一気に危うくするものだった。その家系図は、"家譜を作成する"とのことで、秋谷のもとに渡っていたのだ。もちろん、秋谷はそれほどの秘密が潜んでいるとは知らなかった。
・秘密に気づいた秋谷、庄三郎。そこへ、家老・兵右衛門は「秋谷は農民たちと一揆を画策している」などと決めつけ、証拠を探しにやってくる。その最中、秋谷の嫡男・郁太郎の友人、源吉が激しい取り調べの中、命を落とす。
・義憤に燃える郁太郎は、家老・兵右衛門に一太刀浴びせるため、城内に向かう。庄三郎もそれに同行した。見事、兵右衛門に一泡吹かせることに成功したが、秋谷、郁太郎は牢に囚われる。
・家老・兵右衛門は、「お美代の方の家系図をよこせば、秋谷、庄三郎を解放する」と取引を持ちかける。それに応じる秋谷。
・ところが、既にその家系図は複製を寺院に保管されていた。もはや兵右衛門の手が及ぶ場所にはなかった。本来ならば、お美代の方、兵右衛門の秘密を盾に切腹を免れることも可能だったが、秋谷はそれをしなかった。自身の命と引き換えに、秋谷は農民たちの一揆を抑えこむこもうとしたのだった。最後まで、彼は他者のために行動しつづけた。
・薫の結婚、郁太郎の元服を見届けた後、秋谷は切腹を行った。
・家老・兵右衛門を越え、追い落とすため、庄三郎は郁太郎に協力する、と誓った。
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