「開かせていただき光栄です」のネタバレ・あらすじ
2012.04.06 (Fri)
【登場人物】
・ダニエル・バートン：聖ジョージ病院外科医。私的解剖学教室を開いている。
・エドワード・ターナー：容姿端麗なダニエルの一番弟子。
・ナイジェル・ハート：天才細密画家、ダニエルの弟子。
・クラレンス・スプナー：ダニエルの弟子。通称・饒舌クラレンス。
・ベンジャミン・ビーミス：ダニエルの弟子。通称・肥満体ベン。
・アルバート・ウッド：ダニエルの弟子。通称・骨皮アル。
・トビー：ダニエル・バートン邸の門番兼下男。
・ネリー：同女中。
・ロバート・バートン：ダニエルの兄。内科医で解剖学教室の経営者。
・ネイサン・カレン：詩人志望の少年。
・ガイ・エヴァンス：仲買人。
・エレイン・ラフヘッド：準男爵令嬢。
・ジョン・フィールディング：盲目の治安判事。
・アン＝シャーリー・モア：ジョン・フィールディングの姪で助手。
【あらすじ】
舞台は、18世紀ロンドン。外科医ダニエル・バートンの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。それは、四肢を切断された少年と顔を潰された男性の遺体だった。捜査の過程で、その遺体は詩人志望の青年で、ロンドンへ夢を追いやってきたネイサン・カレンではないか、と思われた。
治安判事であるジョン・フィールディングは、捜査を続けていく内に、背後に詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる様々な思惑があることを見つけ出す。
事の発端は、ダニエル・バートンが胎児の標本を作る目的で、墓暴きにより掘り出されたエレイン・ラフヘッドの遺体を解剖したことだった。父親である準男爵は、その冒涜行為を治安判事に訴えでたのだった。弟子たちは判事に見つからないよう暖炉裏に隠した。ところが、そこには別の死体はすでに入れられていたのだった。
その死体は、四肢を切断され、顔を潰されていた。最初は弟子であるエドワード・ターナー、ナイジェル・ハートは黙っていたが、「実は知り合いの詩人志望の少年、ネイサン・カレンである」と明かす。四肢を切断したのも、彼らによる行為である、と明かされた。その切断した理由は、「彼は手首を切り、自殺をしていた。自殺をしていると、教会に弔ってもらえないから切断して殺人にみせかけた」と話した。
ところが、その発言に疑問を持ったジョン・フィールディング治安判事は、捜査を進めていく内に、別の理由を聞かされる。「彼が投獄された際に、足かせを付けられ、その跡が醜く、本人もその跡を嫌がっていた。だからその跡を分からないように四肢を切断した」とエドワード・ターナー、ナイジェル・ハートは証言を変えた。
彼らによると、ネイサンは何者かに命を狙われていたという。
その背景として、彼の持っていた「中世に書かれた稀覯本」が関係しているという。その本は、実はネイサン自身が書いたものだった。中世に書かれた書物の文体を自由自在に使うという才能を認めてもらいたいがために、ネイサンは「中世に書かれた本である」と嘘をつき、鑑定士に本を持ち込んだ。ところが、歴史的な齟齬を指摘され、ガイ・エヴァンスに脅迫され、ニセの古書作成の手伝いをさせられることになる。監禁状態に置かれたネイサンは、命からがら逃げ出したが、エヴァンスによって亡き者にされたのではないか、とエドワード・ターナー、ナイジェル・ハートは語った。
その犯人として、ダニエルの兄・ロバート・バートンが関与しているのではないか、と疑われた。ダニエルは、エレイン・ラフヘッドを昏睡して乱暴。自身の犯罪発覚を恐れたダニエルは、エレイン嬢を青酸カリで毒殺。自殺と見せかけた。ところが、その事件に気づいたエヴァンスは、ロバートを脅迫し、ネイサンを殺害させたのではないか、と疑われた。
そんな最中、エヴァンスの絞殺死体が見つかる。その第一容疑者として、ロバートがあげられたが、そのロバートも焼死体として発見される。果たして、一連の犯行の犯人は、誰なのか…。
【ネタバレ】
犯人は、エドワード・ターナー、ナイジェル・ハートだった。
ロバートは、株取引で負債を抱え、解剖学教室の標本を抵当に入れて借金を重ねていた。それに気づいたエドワード・ターナー、ナイジェル・ハートは、標本を守るため、ロバートにエヴァンス殺害の容疑者に仕立て上げ、「代わりに罪を負うので、標本を抵当に入れるのを止めろ」という契約を結んだ。その後、ロバートをも殺害している。
結局、ネイサンは殺害されていなかった。エヴァンスの影に怯え、彼は逃亡しつづけていたのだ。ネイサンかと思われていた死体は、全くの別人で、足かせの跡が無いことを不審に思われないように四肢を切断し、顔を潰したのだった。
エドワード・ターナー、ナイジェル・ハートはこのようにして、解剖学教室を守ることに成功した。全ては、師・ダニエル・バートンのためを思って起こした事件だった。
全てが終わり、彼らは罪には問われなかったが、ダニエルのもとを離れることにした。
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・ダニエル・バートン：聖ジョージ病院外科医。私的解剖学教室を開いている。
・エドワード・ターナー：容姿端麗なダニエルの一番弟子。
・ナイジェル・ハート：天才細密画家、ダニエルの弟子。
・クラレンス・スプナー：ダニエルの弟子。通称・饒舌クラレンス。
・ベンジャミン・ビーミス：ダニエルの弟子。通称・肥満体ベン。
・アルバート・ウッド：ダニエルの弟子。通称・骨皮アル。
・トビー：ダニエル・バートン邸の門番兼下男。
・ネリー：同女中。
・ロバート・バートン：ダニエルの兄。内科医で解剖学教室の経営者。
・ネイサン・カレン：詩人志望の少年。
・ガイ・エヴァンス：仲買人。
・エレイン・ラフヘッド：準男爵令嬢。
・ジョン・フィールディング：盲目の治安判事。
・アン＝シャーリー・モア：ジョン・フィールディングの姪で助手。
【あらすじ】
舞台は、18世紀ロンドン。外科医ダニエル・バートンの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。それは、四肢を切断された少年と顔を潰された男性の遺体だった。捜査の過程で、その遺体は詩人志望の青年で、ロンドンへ夢を追いやってきたネイサン・カレンではないか、と思われた。
治安判事であるジョン・フィールディングは、捜査を続けていく内に、背後に詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる様々な思惑があることを見つけ出す。
事の発端は、ダニエル・バートンが胎児の標本を作る目的で、墓暴きにより掘り出されたエレイン・ラフヘッドの遺体を解剖したことだった。父親である準男爵は、その冒涜行為を治安判事に訴えでたのだった。弟子たちは判事に見つからないよう暖炉裏に隠した。ところが、そこには別の死体はすでに入れられていたのだった。
その死体は、四肢を切断され、顔を潰されていた。最初は弟子であるエドワード・ターナー、ナイジェル・ハートは黙っていたが、「実は知り合いの詩人志望の少年、ネイサン・カレンである」と明かす。四肢を切断したのも、彼らによる行為である、と明かされた。その切断した理由は、「彼は手首を切り、自殺をしていた。自殺をしていると、教会に弔ってもらえないから切断して殺人にみせかけた」と話した。
ところが、その発言に疑問を持ったジョン・フィールディング治安判事は、捜査を進めていく内に、別の理由を聞かされる。「彼が投獄された際に、足かせを付けられ、その跡が醜く、本人もその跡を嫌がっていた。だからその跡を分からないように四肢を切断した」とエドワード・ターナー、ナイジェル・ハートは証言を変えた。
彼らによると、ネイサンは何者かに命を狙われていたという。
その背景として、彼の持っていた「中世に書かれた稀覯本」が関係しているという。その本は、実はネイサン自身が書いたものだった。中世に書かれた書物の文体を自由自在に使うという才能を認めてもらいたいがために、ネイサンは「中世に書かれた本である」と嘘をつき、鑑定士に本を持ち込んだ。ところが、歴史的な齟齬を指摘され、ガイ・エヴァンスに脅迫され、ニセの古書作成の手伝いをさせられることになる。監禁状態に置かれたネイサンは、命からがら逃げ出したが、エヴァンスによって亡き者にされたのではないか、とエドワード・ターナー、ナイジェル・ハートは語った。
その犯人として、ダニエルの兄・ロバート・バートンが関与しているのではないか、と疑われた。ダニエルは、エレイン・ラフヘッドを昏睡して乱暴。自身の犯罪発覚を恐れたダニエルは、エレイン嬢を青酸カリで毒殺。自殺と見せかけた。ところが、その事件に気づいたエヴァンスは、ロバートを脅迫し、ネイサンを殺害させたのではないか、と疑われた。
そんな最中、エヴァンスの絞殺死体が見つかる。その第一容疑者として、ロバートがあげられたが、そのロバートも焼死体として発見される。果たして、一連の犯行の犯人は、誰なのか…。
【ネタバレ】
犯人は、エドワード・ターナー、ナイジェル・ハートだった。
ロバートは、株取引で負債を抱え、解剖学教室の標本を抵当に入れて借金を重ねていた。それに気づいたエドワード・ターナー、ナイジェル・ハートは、標本を守るため、ロバートにエヴァンス殺害の容疑者に仕立て上げ、「代わりに罪を負うので、標本を抵当に入れるのを止めろ」という契約を結んだ。その後、ロバートをも殺害している。
結局、ネイサンは殺害されていなかった。エヴァンスの影に怯え、彼は逃亡しつづけていたのだ。ネイサンかと思われていた死体は、全くの別人で、足かせの跡が無いことを不審に思われないように四肢を切断し、顔を潰したのだった。
エドワード・ターナー、ナイジェル・ハートはこのようにして、解剖学教室を守ることに成功した。全ては、師・ダニエル・バートンのためを思って起こした事件だった。
全てが終わり、彼らは罪には問われなかったが、ダニエルのもとを離れることにした。
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