【登場人物】
・杉崎俊二：中学校の数学教師、野球部の顧問。同僚の飯倉加奈と交際中。マイホームを建てたが、地震を契機に欠陥住宅であると判明し、義理の叔父である施工会社社長と揉めている。
・飯倉加奈：中学校の英語教師、テニス部の顧問。
・竹本袈裟男：新愛工務店社長。杉崎俊二の叔母・美沙子の夫。
・榎本径:防犯コンサルタント、防犯ショップ店長。本職は泥棒。
・青砥純子：『レスキュー法律事務所』弁護士。

【あらすじ】
　杉崎俊二は、飯倉加奈との甘い新婚生活を思い描いていた。ところが、その障壁となるのが新築の家だった。地震をきっかけとして、欠陥住宅であると判明し、義理の叔父である親愛工務店社長・竹本袈裟男とトラブルになっていたのだった。叔母は理解あり、建て直しを約束したが、竹本袈裟男社長はそれを認めなかった。
　竹本を家に呼び出した杉崎は、脚立に登ったところでわざとグラつかせ、頭を強打させた。そのようにして殺害し、家を密室にして出た。もとから、歪んだ家は窓が開かないようになってしまっていた。竹本の居た部屋の扉は、内側からしか閉めることができないようになっていた。
　果たして、杉崎の行った密室殺人のトリックはどのようなものだったのだろうか。
【ネタバレ】
　杉崎は、エアコンのダクト用の穴を利用したのだった。そこにピッチングマシーンの先を入れ、ボールを投げ入れることで扉にあて、閉めたのだった。もちろん、部屋にはボールが散乱するが、傾いた床を転がったボールは、一箇所に集まった。そのボールをダクト用ホースをつけた掃除機で吸い出し、回収したのだった。

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