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東野圭吾「聖女の救済」のネタバレ・あらすじ

2012.04.22 (Sun)
【登場人物】
・真柴綾音:真柴義孝の妻。パッチワーク教室を開いている。義孝により、不妊を理由に離婚を切り出されていた。
・真柴義孝:綾音の夫。会社経営者。"ライフプラン"を重視し、子供を作ることを強く望んでいた。若山宏美と不倫関係にあり、宏美に子供を身篭らせていた。綾音の北海道帰省中に、亜ヒ酸が混入したコーヒーを飲み、死亡。
・若山宏美:綾音のパッチワーク教室で講師として勤務。綾音の夫・真柴義孝とは不倫関係にあり、彼の子供を身ごもっている。
・湯川学:現帝都大学物理学助教授(准教授)で、理工学部物理学科第十三研究室に所属。
・草薙俊平:警視庁捜査一課所属、警部補。湯川学とは大学で知り合い、友人関係となる。湯川に事件の捜査依頼をすることもしばしば。今回、綾音に好意を持ってしまう。
・内海薫:女性刑事。正義感が強く、女性ならではの勘と理論で容疑者を割り出す一方、勝手に突っ走ってしまい一人で悩むことがある。
・猪飼達彦:弁護士。真柴義孝の古くからの知人であり、義孝が経営する会社の顧問弁護士で経営にも参加している。事件前夜も真柴家のホームパーティに参加していた。
・猪飼由希子:猪飼達彦の妻。二か月前に、第一子を出産している。
・津久井潤子:義孝が、綾音と出会う前に交際していた女性。絵本作家で、事件が起こる二年前に"亜ヒ酸内服"で自殺している。彼女も「子供が出来ないから」と義孝に一方的に別れを切り出された。

【あらすじ】
真柴綾音は、真柴義孝に「子供ができないから別れる」と、一方的に離婚を切り出された。実は、この取決めは結婚前から義孝が告げていたことだった。その瞬間、綾音の胸中には義孝への"ある宣告"が下されていた。数日後、綾音が主催するパッチワーク教室の講師である若山宏美が自宅で死んでいる義孝を発見する。死因は毒殺。彼が飲んでいたコーヒーに、亜ヒ酸が混入されていた。

捜査に当たった草薙は一目見た綾音に惹かれてしまう。一方薫は些細な事から綾音の犯行ではないかと疑念を抱くが、その考えを巡り草薙と対立してしまう。そして綾音には犯行当日まで北海道の実家に帰省していたアリバイがあり、毒物の混入経路も依然として不明のままだった。

一方で、義孝の女性関係を捜査しているところ、津久井潤子という女性の名前が浮上した。彼女は、義孝と以前交際しており、別れている。そして、"亜ヒ酸"による服毒自殺をしていた。また、彼女は留学中、綾音に知り合い、接点があったことが判明する。

綾音が離れた場所から義孝を毒殺したトリックを暴くため薫は湯川に再び協力を申し出る。湯川も捜査に協力するが、自身が立てた仮説も決め手にならず、トリックの解明に苦戦してしまう。だが湯川はある答えを導き出し、薫にある指示を命ずる。指示を行った薫からの回答を聞いた湯川は驚愕する。

湯川が出した答え。それは『虚数解』、理論上はあり得ても、現実にはありえないという実に奇妙な答えだった。果たして、綾音による義孝の殺害方法とは…。

【ネタバレ】
真柴綾音が夫・義孝を殺害した。その方法とは、浄水器のフィルター内に毒物を入れておく、というものだった。彼女は結婚する1年前に、すでに亜ヒ酸を用意していたのだった。毒物を入れた浄水器は、1年間の間、使われることはなかった。その間、綾音は浄水器を使われないように、キッチンに夫を近づけず、ミネラルウォーターを切らさないようにしていたのだ。

だが、離婚を切り出された瞬間、彼女の中で決意が固まる。自身の友人である潤子にも、同じような言葉を彼女にぶつけ、傷つけたのか、と。その結果、潤子は自殺してしまった。彼女の中で、義孝殺害の意思が固まった。

彼女のすべきことは、ただ外出することだけだった。コーヒー好きな義孝は、普段、ミネラルウォーターでコーヒーを淹れていた。だが、ミネラルウォーターが切れてしまったので、浄水器の水を使用したのだった。その中に、亜ヒ酸が入れられていると知らずに。

一年という間、彼女は義孝が死なないように注意していたのだった。まさに、"理論上はあり得ても、現実にはありえない"というような方法で、綾音は義孝を殺害したのだった。


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