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鍵のかかった部屋 第02話「鍵のかかった部屋」

2012.04.25 (Wed)
【登場人物】
・会田愛一郎(中村獅童):亡くなった大樹の叔父。サムターン回しの手口で窃盗を繰り返していた。不法侵入した住宅の住人ともみ合いになり、殺害してしまい、服役して出所した。
・高澤大樹:会田愛一郎の甥。家に引きこもるようになり、ある日、自宅で練炭による一酸化炭素中毒で遺体となって発見される。
・高澤美樹(福田麻由子):大樹の妹。
・高澤芳男(髙嶋政宏):中学の理科教師。みどりと結婚し、みどり亡き後も大樹、美樹を養っていた。
・榎本径(大野智):東京総合セキュリティ勤務。建築物のセキュリティや錠前破りなどに関して卓越した知識を持つ。
・青砥純子(戸田恵梨香):弁護士。自身で好むと好まざるとに関わらず、密室事件に深い関わりを持つ。
・芹沢豪(佐藤浩市):青砥純子の先輩弁護士。儲けの大きい案件を優先させ、金にならない密室事件、推理小説などには拒否反応を示す。

【あらすじ】
榎本径(大野智)は、甥が死亡したという会田愛一郎(中村獅童)を連れ、青砥純子(戸田恵梨香)と芹沢豪(佐藤浩市)を訪ねてきた。甥の大樹は、自室で練炭による一酸化炭素中毒で死亡し自殺とされたが、会田は大樹が妹・美樹(福田麻由子)を残して死ぬとは思えないと言う。

大樹が死亡した日、会田は兄妹の継父で、中学校の科学教師・高澤(髙嶋政宏)からの連絡で高澤家にやって来た。美樹が大樹の部屋のドアを叩くが開かず、なかから反応もない。そこで、高澤が電動ドリルでドアノブの上に穴を開けた。その穴から会田が工具を差し入れ、ついに鍵は開いた。しかし、ドアと窓には隙間を埋めるように内側からビニールテープが貼られ、ドアを開ける際、ベリベリとテープがはがれる音がし、室内では紙テープの切れ端が舞い上がったという。壁には、紙テープで綴られた「サヨナラ」という文字があり、ベッドでは大樹が死亡していた。

3年前に母親を亡くした兄妹は高澤に育てられていたが、多額の遺産を受け継ぐため高澤に殺されたのでは、と会田は疑っていた。

榎本は、ドアと窓を密閉していたのが、ガムテープではなくビニールテープだったことが気にかかる。仮に高澤が犯人だったとして、施錠された窓やドアの内側からどうやってテープを貼ったのか、榎本は、純子、芹沢と可能な方法を考えるがどれも決定打にはならない。

そんな折、榎本は、美樹から会田はどんな人なのか、と尋ねられる。幼い頃の美樹は、叔父の会田と親しい関係だったが、会田が窃盗や傷害事件を起こし逮捕されたのを嫌い疎遠になっていた。しかし、大樹の件で必死に犯人を探す姿を見て、美樹は揺れていた。榎本は、人の評価は当てにならないから自分で確かめるべきだと言って立ち去る。

その後、榎本の「備品倉庫室」にダンボールを持った美樹がやってきた。大樹の部屋ではがしたビニールテープを何かの役に立てば、と言って託した。

榎本らはそのビニールテープを窓やドアに貼り直して現場を復元、それにより、ドアのテープが静電気を利用して貼られたものだと推測できた。これで、犯人が大樹を殺害後にドアから退室し、その後、ドアが密閉された可能性が高まった。ここで榎本は、改めてテープによる密閉の必要性を考える。

最近の住宅は気密性が高いから、練炭で殺害するにもドアと窓を閉めるだけで十分なのに、さらに密閉したということは、完璧な気密性が必要だったのだ、と。そのとき、純子が芹沢のジャケットについていた紙切れを取ってやる。それを見た会田は、自分のポケットから紙テープの切れ端を取り出した。大樹の部屋を破ったとき、室内に舞い上がった紙の一部だ。美樹によれば、高澤はビニールテープより、この紙テープを急いで始末しようとしていたという。榎本は、紙テープの切れ端を持ち、考えを巡らせる――。

【ネタバレ】
犯人がビニールテープでドアや窓に目張りし部屋を密閉したのは、完璧な気密性を必要としたから。
会田が持っていた紙テープの切れ端は、遺体を発見した瞬間、室内に舞い上ったものだった。

室内はエアコンがかけられ、外気温より2~3℃高くなっていた。完全な密室で室温が高くなった場合、気圧が高くなりドアに圧力がかかるため、ドアは開かなくなる。この「開かないドア」を、会田は「鍵がかかっている」と思い込んだ。

犯人は、犯行現場が鍵のかかった密室だと思わせるため、会田さんにドアが開かないことを確認させた。その上で、犯人自ら電気ドリルでドアに穴を開けていく。これにより、部屋の気圧は通常に戻る。

ドアのサムターン(ひねるタイプの錠)には、犯人によって事前に紙テープがぐるぐるに巻かれていた。この紙テープに電気ドリルを接触させ、ドリルの先でテープを歯車のように回転させることで、開錠したと見せかけてサムターンを施錠。さらに、これを会田さんに開錠させたのだった。

ガムテープではなくビニールテープが使われたのは、ビニールテープには、静電気が発生する効果があるため。ドアの裏にはみだすように貼っておけば、その後、帯電したテープが自然と隙間をふさいでくれる。

このようにして高澤芳男は密室を完成させたのだった。動機としては、大樹と美樹に遺された遺産目当てだった。

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