「風が強く吹いている」あらすじ・ネタバレ
2013.01.04 (Fri)
ある春の日、寛政大学1年の蔵原走(くらはらかける)は、高校時代にインターハイを制覇したスタミナと脚力を生かして、空腹のためにパンを万引きしていた。その逃走中、寛政大学4年生の清瀬灰二に捕まり、成り行きで清瀬が住むボロアパート、竹青荘(通称アオタケ)に住むことになり、そのまま箱根駅伝を目指すことになる。
だが、アオタケに住んでいる住人は、運動音痴のマンガオタクの王子こと柏崎茜、25歳のヘビースモーカーのニコチャンこと平田彰宏、クイズ番組好きなキングこと坂口洋平、在学中に司法試験に合格した秀才・ユキこと岩倉雪彦、田舎では神童と言われていた神童こと杉山高志、双子のジョージ(城次郎)・ジョータ(城太郎)、流暢な日本語を操る黒人留学生・ムサという個性派揃い。とても走れるとは思えない面々ばかりであった。
清瀬灰二により、半ば強引に駅伝に駆り出された練習を重ねるにつれ住人たちはタイムを縮めていくが、走は「適当に話を合わせておけばいいや」ぐらいしか思っていなかった。そんなある日、走と清瀬が衝突、その直後に清瀬は過労と貧血で倒れてしまう。清瀬は、「強くなれ」と走に伝える。「速さだけでは、長い距離を戦いぬくことはできない。いろんな要素を冷静に分析し、苦しい局面でも粘って身体を前に運び続ける。長距離選手に必要なのは、本当の意味での強さだ」と。清瀬の説得に心を動かされ、走はより一層、練習に身を入れるようになっていった。
合宿を経て、ついに予選会に出場し、走は甲府学院大のイワンキを抑え、3位でフィニッシュした。他の9人も力走を見せ、結果発表では全体で7位相当に食い込んだ。寄せ集めの陸上部員たちながらも、ついに箱根駅伝への切符を手にしたのだった。
箱根で合宿を開始したところ、1位の東京体育大学(東体大)に所属する榊浩介に出くわす。榊は、走の高校時代の同級生だった。走は監督に反発し、殴って鼻骨骨折を負わせた。そのことで部自体が大会出場停止になったため、原因を作った走を榊は憎んでいた。そのため、事あるごとに榊は走に絡んできていたが、"強さ"を学んだ走は、いなせるようになっていたのだった。
予選会を突破したことで、さらに練習に熱を入れ、1月2日、本番当日を迎えた。走る順番は、下記のようなものだった。
第1区走者:王子(柏崎茜)
第2区走者:ムサ(ムサ・カマラ)
第3区走者:ジョータ(城太郎)
第4区走者:ジョージ(城次郎)
第5区走者:神童(杉山高志)
第6区走者:ユキ(岩倉雪彦)
第7区走者:ニコチャン(平田彰宏)
第8区走者:キング(坂口洋平)
第9区走者:カケル(蔵原走)
第10区走者:ハイジ(清瀬灰二)
神童(杉山高志)が発熱したり、勝田葉菜子マネージャーが双子(ジョータ・ジョージ)に想いを寄せていることがレース中に判明し、ジョージは動揺したりなど、トラブルはあったが、清瀬灰二の伝言により、励まされてそれぞれ持てる力を出しきり、襷を繋げていく面々。蔵原走は、区間新記録という好タイムを叩きだし、最終走者・清瀬灰二へ襷を渡した。
膝蓋骨を剥離骨折、手術を乗り越えた清瀬灰二は力走を見せ、東体大に打ち勝ち、10位となりシード権を獲得した。その代価として、清瀬灰二は二度と走ることができなくなってしまった。「二度と走ることができなくなるかも知れない」と、医師に言われていたにも関わらず、そのことを黙っていて、周りには心配をかけないようにしていたのだった。
4年後、走はアオタケに戻ると、そこには懐かしい面々が揃っていた。アオタケは取り壊しが決まり、そこには新たに陸上部の寮が建つことになったため、元アオタケの住人たちが顔を揃えていたのだった。清瀬灰二は、実業団の監督になっていた。部員は増え、新一年生も入部が決まっていた。
「俺は知りたい。走るってどういうことなのか」という清瀬灰二の言葉を走は思い出していた。その答えを走はまだ分からなかったが、これからも走り、問い続けていくことを止めない、と走は心のなかで決めていた。かつての仲間たちが焼肉をし、鉄板を囲む中、そこへ呼ばれた走は、その輪の中へと足を踏み出した。
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だが、アオタケに住んでいる住人は、運動音痴のマンガオタクの王子こと柏崎茜、25歳のヘビースモーカーのニコチャンこと平田彰宏、クイズ番組好きなキングこと坂口洋平、在学中に司法試験に合格した秀才・ユキこと岩倉雪彦、田舎では神童と言われていた神童こと杉山高志、双子のジョージ(城次郎)・ジョータ(城太郎)、流暢な日本語を操る黒人留学生・ムサという個性派揃い。とても走れるとは思えない面々ばかりであった。
清瀬灰二により、半ば強引に駅伝に駆り出された練習を重ねるにつれ住人たちはタイムを縮めていくが、走は「適当に話を合わせておけばいいや」ぐらいしか思っていなかった。そんなある日、走と清瀬が衝突、その直後に清瀬は過労と貧血で倒れてしまう。清瀬は、「強くなれ」と走に伝える。「速さだけでは、長い距離を戦いぬくことはできない。いろんな要素を冷静に分析し、苦しい局面でも粘って身体を前に運び続ける。長距離選手に必要なのは、本当の意味での強さだ」と。清瀬の説得に心を動かされ、走はより一層、練習に身を入れるようになっていった。
合宿を経て、ついに予選会に出場し、走は甲府学院大のイワンキを抑え、3位でフィニッシュした。他の9人も力走を見せ、結果発表では全体で7位相当に食い込んだ。寄せ集めの陸上部員たちながらも、ついに箱根駅伝への切符を手にしたのだった。
箱根で合宿を開始したところ、1位の東京体育大学(東体大)に所属する榊浩介に出くわす。榊は、走の高校時代の同級生だった。走は監督に反発し、殴って鼻骨骨折を負わせた。そのことで部自体が大会出場停止になったため、原因を作った走を榊は憎んでいた。そのため、事あるごとに榊は走に絡んできていたが、"強さ"を学んだ走は、いなせるようになっていたのだった。
予選会を突破したことで、さらに練習に熱を入れ、1月2日、本番当日を迎えた。走る順番は、下記のようなものだった。
第1区走者:王子(柏崎茜)
第2区走者:ムサ(ムサ・カマラ)
第3区走者:ジョータ(城太郎)
第4区走者:ジョージ(城次郎)
第5区走者:神童(杉山高志)
第6区走者:ユキ(岩倉雪彦)
第7区走者:ニコチャン(平田彰宏)
第8区走者:キング(坂口洋平)
第9区走者:カケル(蔵原走)
第10区走者:ハイジ(清瀬灰二)
神童(杉山高志)が発熱したり、勝田葉菜子マネージャーが双子(ジョータ・ジョージ)に想いを寄せていることがレース中に判明し、ジョージは動揺したりなど、トラブルはあったが、清瀬灰二の伝言により、励まされてそれぞれ持てる力を出しきり、襷を繋げていく面々。蔵原走は、区間新記録という好タイムを叩きだし、最終走者・清瀬灰二へ襷を渡した。
膝蓋骨を剥離骨折、手術を乗り越えた清瀬灰二は力走を見せ、東体大に打ち勝ち、10位となりシード権を獲得した。その代価として、清瀬灰二は二度と走ることができなくなってしまった。「二度と走ることができなくなるかも知れない」と、医師に言われていたにも関わらず、そのことを黙っていて、周りには心配をかけないようにしていたのだった。
4年後、走はアオタケに戻ると、そこには懐かしい面々が揃っていた。アオタケは取り壊しが決まり、そこには新たに陸上部の寮が建つことになったため、元アオタケの住人たちが顔を揃えていたのだった。清瀬灰二は、実業団の監督になっていた。部員は増え、新一年生も入部が決まっていた。
「俺は知りたい。走るってどういうことなのか」という清瀬灰二の言葉を走は思い出していた。その答えを走はまだ分からなかったが、これからも走り、問い続けていくことを止めない、と走は心のなかで決めていた。かつての仲間たちが焼肉をし、鉄板を囲む中、そこへ呼ばれた走は、その輪の中へと足を踏み出した。
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