「オーケストラ!」あらすじ・ネタバレ
2013.10.06 (Sun)
起:天才指揮者・アンドレイ
劇場清掃員として働く冴えない中年男アンドレイ・フィリポフ(アレクセイ・グシュコブ)は、かつてはロシア・ボリショイ交響楽団で主席を務めた天才指揮者だった。彼は、共産主義時代、“ユダヤ主義者と人民の敵”と称されたユダヤ系の演奏家たち全員の排斥を拒絶、名声の絶頂期に解雇されたのだった。
承:ボリショイ交響楽団と称するアンドレイたち
ある日、アンドレイは、1枚のFAXを目にする。それは、演奏を取りやめたサンフランシスコ交響楽団の代わりに、パリのプレイエルに出演するオーケストラを2週間以内に見つけたいという内容だった。その瞬間、彼は、かつての仲間を集めて偽のオーケストラを結成、ボリショイ交響楽団代表としてパリに乗り込むことを思いつく。
アンドレイはまず、元チェロ奏者で今は救急車の運転手・サシャ・グロスマン(ドミトリー・ナザロフ)に話を持ちかける。サシャは呆気にとられるが、アンドレイの熱意に押され、気がつけばアンドレイを救急車に乗せて昔の仲間を訪ねていた。タクシー運転手、蚤の市業者、ポルノ映画の効果音担当……モスクワの片隅でかろうじて生計をたてている彼らのほとんどが、アンドレイの荒唐無稽な誘いを二つ返事で承諾する。
転:アンドレイ、アンヌ=マリーの出会い
演奏曲はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、ソリストは若手スター、アンヌ=マリー・ジャケ(メラニー・ロラン)を指名。問題のパスポートも、ジプシーのヴァイオリン奏者が24時間で全員の偽造品を調達し、遂に寄せ集めオーケストラはパリへと旅立っていった。
到着早々、アンドレイのもとにアンヌ=マリーのマネージャー、ギレーヌ・ドゥ・ラ・リヴィエール(ミュウ=ミュウ)が現れ、彼とは旧知の仲らしい彼女は、アンヌ=マリーに話すつもりかと何かをきつく口止めする。
結:公演の成功
楽団員たちは、フランス渡航で出稼ぎを開始。リハーサルをすっぽかしてしまう始末だった。
コンサートを心配するアンドレイだったが、コンサートを前に、アンヌ=マリーとアンドレイは夕食を共にする。そこでアンドレイは、究極のハーモニーに到達できたはずのレアというヴァイオリニストの悲しい運命を語り始めるのだった。
アンドレイは、レアとともに、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲で最高の高みまで到達を目指していた。ユダヤ人排斥を進めていた政府の意向を、アンドレイは拒否。レアは政府に目をつけられていたラジオ局で政府を批判し、強制連行されてしまう。
アンドレイは、アンヌ=マリーに話をしていなかったが、実は収容所に送られる前、アンドレイはレアたち夫婦の乳児を預けられる。アンドレイは、その子供をフランス人ヴァイオリニストに託し、亡命させる。その子供こそ、アンヌ=マリーだったのだ。
アンヌ=マリーは「私はレアの代わりではない」と一度は出演を拒否する。だが、サシャ・グロスマンの説得や、「演奏することで、両親のぬくもりを感じることができるかもしれない」といった言葉で、出演を決意。
公演は大成功を収め、アンドレイたちは世界中からオファーを受けることになったのだった。
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