・監督：西川美和(「夢売るふたり」「ディア・ドクター」など)
・脚本：西川美和

起：早川猛の帰郷

写真家の早川猛（オダギリジョー）は、母の一周忌で帰郷した。母の葬儀にも立ち会わず、父・勇（伊武雅刀）とも折り合いの悪い猛(オダギリジョー)だったが、温厚な兄・稔（香川照之）は弟を気遣う。

稔（香川照之）は父とガソリンスタンドを経営しており、そこで兄弟の幼なじみ・智恵子（真木よう子）も働いていた。智恵子と再会した猛(オダギリジョー)は、その晩、彼女と関係を持つ。

翌日、兄弟と智恵子は近くにある渓谷へ向かう。
智恵子は「猛(オダギリジョー)と一緒に東京へ行く」と言い出す。猛（オダギリジョー）は、智恵子の思いを受け止めかねた様子だった。

承：智恵子の死

河原の草花にカメラを向けていた猛(オダギリジョー)が顔を上げると、吊り橋の上で稔（香川照之）と智恵子が揉み合っていた。そして智恵子は渓流へ落下する。

捜査の末、智恵子の死は、事故と断定される。
だが後日、理不尽な客に逆上した稔(香川照之)は暴力をはたらき、連行された警察署で「自分が智恵子を突き落とした」と告白した。

猛(オダギリジョー)は東京で弁護士をしている伯父・修に弁護を依頼するが、公判を重ねるにつれ、稔(香川照之)はこれまでとは違う一面を見せていく。

稔(香川照之)は、智恵子の死に罪悪感を抱いていたために「自分が殺した」と口走ってしまったと主張。その態度は裁判官の心証をよくし、公判は稔(香川照之)にとって有利に進む。

転：猛の証言

猛(オダギリジョー)は面会室で稔(香川照之)に、「高所恐怖症なのに、どうして吊り橋を渡ったんだ？」と訊く。稔(香川照之)は「お前は自分が人殺しの弟になるのが嫌なだけだよ」と答える。

このやりとりの後、証人として証言台に立った猛(オダギリジョー)は、稔(香川照之)が智恵子を突き落としたと証言する。

結：稔の出所

7年後、スタンドの従業員・洋平が猛(オダギリジョー)の元を訪れる。
洋平は、「明日、稔(香川照之)が出所する」と伝える。その晩、昔、父が撮影した8ミリ映写機とテープを見つけた稔は、テープに残された幼い頃の兄と自分を観る。猛(オダギリジョー)の目に涙があふれる。

明け方、猛は車を走らせ兄を迎えに行く。兄の姿を見つけ、猛は「家に帰ろう！」と叫ぶ。稔(香川照之)は、弟に向けて微笑むのだった。

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