「永遠の0」あらすじ・ネタバレ
2013.10.25 (Fri)
簡単なあらすじ
1) 大学生の佐伯健太郎と、出版社に勤める姉の慶子は、祖父・賢一郎から祖母・松乃の前夫・宮部久蔵の存在を知らされる。
2) 血の繋がりのある祖父・宮部久蔵は、終戦間際に特攻で戦死した海軍航空兵だった。フリーライターの慶子は、「終戦60周年記念プロジェクト」と題して記事を書くこととなり、健太郎とともに、久蔵のことを調査し始める。
3) 久蔵は、特攻する直前、自機がエンジン不調であると見抜いていた。その上で、賢一郎に「飛行機を代わってくれ」と申し出ていたのだった。結果、賢一郎はエンジン不調で命を落とさずに済んだ。
4) 久蔵は、戦争で命を落としたくはないと考えていたが、教官として若者が特攻で命を落とす手伝いをしてしまっていたことを後悔し、自分だけ命を永らえることはできないと考え、特攻に散ったのだった。
5) 賢一郎は、終戦後に「松乃を宮部さんの代わりに守る」と決め、松乃のもとを訪れる。そして、松乃と結婚したのだった。
起:実の祖父の存在
大学生の佐伯健太郎と、出版社に勤める姉の慶子は、祖父・賢一郎から祖母・松乃の前夫の存在を知らされる。
「松乃は第二次世界大戦後に私と再婚した。お前たちの実の祖父は、松乃の最初の夫で終戦間際に特攻で戦死した海軍航空兵だ」と賢一郎は告げる。
承:宮部久蔵という男
6年後、司法浪人が長く続き人生の目標を見失っていた健太郎は、フリーライターとなった慶子から、新聞社で主宰される終戦60周年記念プロジェクトの協力を頼まれる。
プロジェクトを進める高山は、神風特攻隊のことをテロリストだと語るが、祖父の話もありその考えに釈然としない慶子は、このプロジェクトに際して特攻隊員だった実の祖父・宮部久蔵のことを調べる。姉弟はわずかな情報を元にその足取りを追い始めた。
戦闘機搭乗員としてラバウル航空隊で一緒だったという男は、久蔵について「海軍航空隊一の臆病者」「何よりも命を惜しむ男だった」と姉弟に蔑みの言葉をぶつけた。
健太郎は元戦友から初めて聞く祖父の話に困惑し、調査を続ける気を無くしていたが、母から健太郎と同じ26歳で亡くなった父・久蔵がどんな青年だったのか知りたいと改めて頼まれ、更に手がかりとなる海軍従軍者たちを訪ね歩く。
転:宮部久蔵の特攻志願
凄腕のゼロ戦乗りで、卑怯者と誹られても、「娘に会うまでは死なない」と松乃との約束を守り続けていた久蔵は、特攻に志願したのだというその理由が、取材先の関係者から少しずつ明らかになっていく。
宮部久蔵は、筑波の練習航空隊に教官として赴任した。昭和20年初め、そこに飛行科予備学生(大学出の士官)が、特攻隊員の養成を目的として大量に入学していたという。国の要請、命令であるとはいえ、特攻で死なせるための訓練・教育をしていた宮部は、罪悪感、後悔を抱いていた。
その彼は、自分だけが生き延びてしまうわけにはいかない、という思いを抱くようになる。そして、終戦間際、特攻へ志願することとなったのだ。
結:祖父・大石賢一郎の証言
出撃の朝、宮部久蔵は自分の最新式52型零戦と部下の旧式21型零戦を強引に交換させたのだという。結果、部下の零戦は、エンジン不調で帰還するしかなかった。
一方、宮部久蔵は、特攻で命を落とす。宮部は、天才的な零戦パイロットであった。エンジン不調を飛び立つ前に見抜いていた。その上で、部下の命を救うため、飛び立つ前に零戦を代えてくれ、と申し出たのだった。
その生きながらえた部下というのが、健太郎、慶子たちの祖父・大石賢一郎だったのだ。
多くの戦争体験者の取材を重ねた後、祖父に話を聞きに行く健太郎たち。そこで賢一郎は、終戦後に「松乃を宮部の代わりに守る」と決め、彼女のもとを訪れたことを語った。それから松乃の世話をやくようになり、それがきっかけで、賢一郎は松乃と結婚することとなったのだという。
「たとえ死んでも、それでも、僕は戻ってくる。生まれ変わってでも、必ず君の元に戻ってくる」と宮部は語っていた。その宮部の外套を着た賢一郎の姿を見て、松乃は宮部を重ね合わせるのだった。
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