「雀蜂」あらすじ・ネタバレ
2013.11.07 (Thu)
著者:貴志祐介
11月下旬の八ヶ岳は、雪が積もり、凍てつくほどの寒さだった。山荘で目醒めた男は、安斎智哉であるという。安斎智哉は、小説家である。
安斎のいる山荘には、次々とスズメバチの大群が襲ってくる。昔ハチに刺された安斎は、もう一度刺されると命の保証はない。逃げようにも外は吹雪であった。通信機器も使えず、外界に連絡できない。一緒にいた絵本作家の妻・幸子は忽然と姿を消していた。
目覚める前の記憶を辿ると、幸子が勧めたワインは、苦かった。どうやら睡眠薬を盛られていたようだ。雪山にスズメバチ…ありえない状況は、誰かが仕組んだに違いなかった。
安斎は、殺虫剤などでスズメバチに応戦するが、巣を作り、大量にいたスズメバチになすすべもない。格闘しつつも、山荘の横のガレージに避難するしかなかった。
ガレージで焚き火をして暖を取っていると、妻・幸子と三沢という雀蜂などに詳しい大学准教授がやってきた。幸子と三沢が結託し、安斎を殺害させようとしたのだと考える安斎。彼らは、どうやら安斎が死んだかどうかを確認しにやってきたようだ。
幸子たちが地下室に行ったところで、地下室への扉を閉める安斎。地下室にも、スズメバチの巣があった。彼らは助かるまい、と思い、一安心し、休んでいたところで、安斎は瀕死のスズメバチに刺されてしまう。アナフィラキシーショックとなり、車の中に落ちていたエピペンを刺すが、呼吸困難感は改善しなかった。
そこで、安斎は喉にワインオープナーを刺し、気管切開し、呼吸を行えるようにするのだった。
倒れている安斎のもとに、警察官がやってくる。安斎は喋ることができない。そこに幸子たちがやってくるのだった。
「この男ですか?」と尋ねる警察官に、「この男です」と告げる幸子。彼女は、この男に監禁されており、睡眠薬を飲ませて眠った隙に逃げ出した、と言い出すのだった。安斎は、否定したくても、喋ることができなかった。
そこから、"事実"が明らかになる。自分で安斎智哉と思い込んでいた男は、実は安斎智哉のストーカーだったのだ。小説家を志望していたが、デビューすることもできず、70歳になっていた男だったのだ。
いつしか彼は自分自身が安斎智哉であると思い込んでいた。そして、安斎智哉を刺殺し、幸子を山荘に監禁し、一緒に暮らしていたのだ。そして、睡眠薬で眠らされた後、幸子は山荘を逃げ出したのだ。
雀蜂の巣は、本物の安斎智哉自身が用意したものだ。安斎智哉は、さほど売れっ子でもなかったにも関わらず、派手な暮らしをしており、金欠だったのだ。それで、保険金を得るために、妻をスズメバチに刺させて、死亡させようとしていたのだ。
実は、昔ハチに刺されて瀕死になったのは、妻・幸子だった。それをあたかも安斎自身が刺されたかのようにエッセイに書いたのだった。そのエッセイを読んでいたため、ストーカーの男は自分が刺されていたことがある、と勘違いしたのだった。
男は、事実を思い出すと同時に、自分の体を見下ろしているのに気づく。彼は幽体となり、死亡した自分を見ていたのだった。
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起:目を覚ました男
11月下旬の八ヶ岳は、雪が積もり、凍てつくほどの寒さだった。山荘で目醒めた男は、安斎智哉であるという。安斎智哉は、小説家である。
安斎のいる山荘には、次々とスズメバチの大群が襲ってくる。昔ハチに刺された安斎は、もう一度刺されると命の保証はない。逃げようにも外は吹雪であった。通信機器も使えず、外界に連絡できない。一緒にいた絵本作家の妻・幸子は忽然と姿を消していた。
承:スズメバチとの死闘
目覚める前の記憶を辿ると、幸子が勧めたワインは、苦かった。どうやら睡眠薬を盛られていたようだ。雪山にスズメバチ…ありえない状況は、誰かが仕組んだに違いなかった。
安斎は、殺虫剤などでスズメバチに応戦するが、巣を作り、大量にいたスズメバチになすすべもない。格闘しつつも、山荘の横のガレージに避難するしかなかった。
転:スズメバチに刺されアナフィラキシーショックに
ガレージで焚き火をして暖を取っていると、妻・幸子と三沢という雀蜂などに詳しい大学准教授がやってきた。幸子と三沢が結託し、安斎を殺害させようとしたのだと考える安斎。彼らは、どうやら安斎が死んだかどうかを確認しにやってきたようだ。
幸子たちが地下室に行ったところで、地下室への扉を閉める安斎。地下室にも、スズメバチの巣があった。彼らは助かるまい、と思い、一安心し、休んでいたところで、安斎は瀕死のスズメバチに刺されてしまう。アナフィラキシーショックとなり、車の中に落ちていたエピペンを刺すが、呼吸困難感は改善しなかった。
そこで、安斎は喉にワインオープナーを刺し、気管切開し、呼吸を行えるようにするのだった。
結:安斎智哉になりたかった男
倒れている安斎のもとに、警察官がやってくる。安斎は喋ることができない。そこに幸子たちがやってくるのだった。
「この男ですか?」と尋ねる警察官に、「この男です」と告げる幸子。彼女は、この男に監禁されており、睡眠薬を飲ませて眠った隙に逃げ出した、と言い出すのだった。安斎は、否定したくても、喋ることができなかった。
そこから、"事実"が明らかになる。自分で安斎智哉と思い込んでいた男は、実は安斎智哉のストーカーだったのだ。小説家を志望していたが、デビューすることもできず、70歳になっていた男だったのだ。
いつしか彼は自分自身が安斎智哉であると思い込んでいた。そして、安斎智哉を刺殺し、幸子を山荘に監禁し、一緒に暮らしていたのだ。そして、睡眠薬で眠らされた後、幸子は山荘を逃げ出したのだ。
雀蜂の巣は、本物の安斎智哉自身が用意したものだ。安斎智哉は、さほど売れっ子でもなかったにも関わらず、派手な暮らしをしており、金欠だったのだ。それで、保険金を得るために、妻をスズメバチに刺させて、死亡させようとしていたのだ。
実は、昔ハチに刺されて瀕死になったのは、妻・幸子だった。それをあたかも安斎自身が刺されたかのようにエッセイに書いたのだった。そのエッセイを読んでいたため、ストーカーの男は自分が刺されていたことがある、と勘違いしたのだった。
男は、事実を思い出すと同時に、自分の体を見下ろしているのに気づく。彼は幽体となり、死亡した自分を見ていたのだった。
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