・監督：クレイ・ホール
・脚本：ジェフリー・Ｍ・ハワード

起：農薬散布機のダスティの夢

プロップウォッシュ・ジャンクションという田舎町の農場で働く農薬散布機のダスティ（声：デイン・クック／日本語吹替版：瑛太）は、世界一周レースに出場しチャンピオンになることを目指していた。

レース仕様ではないただの農薬散布機であるダスティの夢を真剣に取り合ってくれたのは、親友の燃料トラック、チャグ（声：ブラッド・ギャレッド）と、整備所を共同経営するフォークリフトのドッティ（声：テリー・ハッチャー）だけだった。

承：世界一周レース開始

世界一周レースの予選では、小回りの効く高速飛行が功を奏し、また上位レーサーがドーピング検査で失格となったことから、ダスティは本選への出場権を獲得する。ダスティは、かつての海軍飛行隊ジョー・レンチの英雄で教官としても名高い戦闘機スキッパー（声：ステイシー・キーチ）にコーチになってほしいと打診するが、今や飛ぶことを止めているスキッパーは取り合わない。

農薬散布機にレースは無理だと決めつけるスキッパーに、自分の切実な思いと覚悟をぶつけるダスティ。スキッパーは彼の熱意に押され、コーチを引き受ける。

スキッパーの猛特訓を受けて苦手を克服していくダスティだが、高所恐怖症という致命的な欠点はどうすることもできなかった。そこで、彼の長所を活かした低空弾丸飛行作戦に乗り出すことにする。

転：リップスリンガーの妨害

世界一周レース本戦。スタート地点のニューヨークには、3連覇中の世界チャンピオンのリップスリンガー（声：クレイグ・スミス）、イギリス代表の頭脳派ブルドッグ（声：ジョン・クリーズ）、メキシコ代表の陽気なエル・チュパカブラ（声：カルロス・アラズラキ／日本語吹替版：井上芳雄）、日本代表のサクラ（声：ジュリア・ルイス＝ドレイファス）、インド代表の最新鋭機イシャーニ（声：プリヤンカー・チョープラ）ら、世界各国を代表するスター・レーサーたちが集結する。

いよいよ超長距離の過酷なレースが開始となり、ダスティは出遅れてしまうが、次第にスキッパー仕込みのアクロバット飛行で追い上げていく。難所である世界最高峰ヒマラヤを前に高所恐怖症の尻ごみをするダスティに、イシャーニから線路をたどって飛ぶというアドバイスを受ける。

ウソのアドバイスにだまされたダスティは、低空飛行中に突如現れたトンネルに突っ込んでしまう。列車との衝突が危ぶまれたが、ダスティはアクロバット飛行で身をひるがえして危機を回避する。

ステージで一躍トップに躍り出たダスティは、瞬く間に世界的なヒーローになる。過酷なレースを通じてライバルたちとも仲間意識が生まれていくが、リップスリンガーはチャンピオンの座を脅かす存在であるダスティを疎ましく思っていた。

リップスリンガー・チームの差し金でダスティはコースを外れてあわや墜落という危機に陥る。そんなダスティを飛行隊ジョリー・レンチの戦闘機ブラボー（声：ヴァル・キルマー／日本語吹替版：山口智充）とエコー（声：アンソニー・エドワーズ）が発見する。

しかし、彼らとの出会いによりダスティは、スキッパーへの信頼を揺るがせるような事実を知ってしまう。スキッパーが「強者ぞろいの海軍の飛行隊ジョリー・レンチに属し、輝かしい戦歴の英雄とされるが、一度しかミッションに出ていない」と判明するのだった。

結：ダスティの優勝

スキッパーは、「太平洋の戦線で訓練生たちの飛行中隊は日本海軍の待ち伏せ攻撃で全滅し、自分だけが生き残った」と聞かされる。その罪悪感で苛まれ、それ以来、飛行指導もしないし自分も飛行しなくなっていたのだ。

様々な妨害工作もあり、損壊の激しいダスティは、レース途中だが棄権を考える。チャグとドッティたち仲間が、勇気付け、修理部品を色々な機が分け与えてくれるのだった。

ゴールは、ニューヨークだった。リップスリンガーは、また手下を使ってダスティを妨害するが、トラウマを克服したスキッパーがそれを助けてくれるのだった。

ダスティは次第に失速してきたのに気付き、高所恐怖症を遂に克服してジェット気流に乗り、ライバルのリップスリンガーより上空を進むのだった。両機はほぼ同時にゴール手前にやってくる。

リップスリンガーは、いつもの癖で、観客のカメラに応えるためにスピードを少し落とす。その隙にダスティが抜いて1位となるのだった。

優勝したダスティは、友やファン達に祝福される。スキッパーは海軍に戻り、ダスティを相棒として、二機は大空を飛ぶのだった。

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