「鍵のかかった部屋 新春スペシャル」あらすじ・ネタバレ
2014.01.03 (Fri)
原作者:貴志祐介
榎本径(大野智)が姿を消してから半年、芹沢豪(佐藤浩市)と青砥純子(戸田恵梨香)は、弁護士として順調に業務をこなしていた。
そんな折、芹沢が相談依頼を受けていた証券会社会長の藤林(黒部進)が撲殺されるという事件が起こる。しかも、藤林の姪の郁子(黒木瞳)とともに遺体を発見したのは芹沢だった。
刑事の鴻野(宇梶剛士)から藤林との関係を聞かれた芹沢は、「藤林の亡くなった妻の10億円相当の絵画コレクションを美術館に寄贈する話を仲介していた」と話をした。警察は、裏庭に面した窓の鍵が外されていたため、侵入強盗と考える。そして、芹沢は近辺で怪しい人物を見かけた、と語った。
およそ1ヶ月後、弁護士事務所に高齢の朝妻(ト字たかお)がマンションの管理人の小檜山(岡田義徳)に付き添われてやってくる。応対した純子に朝妻は、心臓発作で倒れたときに自分を助けてくれた命の恩人を探してほしい、と訴える。
朝妻を助けた人物は、朝倉が倒れていた自室まで来て応急措置を施し、119番通報をしたまま姿を消したのだという。だが、その部屋は窓に鍵はかかり、玄関の扉は補助錠まで掛かっていた。この「密室活人事件」を解決して、その人物を見つけ出して欲しい、という依頼だった。
同じ頃、芹沢は郁子に会っていた。藤林を殺害した犯人は捕まっていないが、寄贈についての話を進めたい、という芹沢に郁子は寄贈を中止してほしいと頼む。「事件の前日に、藤林が寄贈を中止したいと話していた」と郁子は証言する。 だが、芹沢は「相続に関する利害関係もあり、あなたの証言を鵜呑みにすることはできない。中止はできない」と拒否する。その時の郁子の態度に疑問を持った芹沢は、鴻野に連絡をする。その最中、芹沢は階段から突き落とされ、負傷する。
郁子の会社は経営難にあえいでおり、唯一の遺産相続人であったのだ。そのため、郁子が侵入強盗にみせかけて藤林を殺害したのではないか、と考えたのだ。だが、郁子にはアリバイがあった。
別の日、純子は朝妻のマンションの住民から聞き込みをしていた。青砥は、近所で「連続掃除魔事件」という、部屋を勝手に掃除されていたという事件を知る。そこに、小檜山に連れられた男がやって来る。その人物こそ、榎本だった。純子は、新しい防犯カメラを設置するために呼ばれたという榎本を朝妻の部屋に連れて行く。
榎本は、「補助錠の受け手であるストライクをあらかじめ外し、両面テープでドアに貼り付けていた。その後、ストライクを元に戻したのだ」と明かす。そして、「連続掃除魔事件」の延長線で「密室活人事件」が起きたのだ、と指摘する。小檜山がその犯人であり、マンションの管理人をしつつ空き巣をしていたため、その指紋を拭き取る必要があったため、掃除をしていたのだ。小檜山は殺人犯として警察に追われていたのだ。
小檜山は全てを自供した。彼は藤林の自宅に侵入し、藤林の遺体を発見した。その際に、遺体を触ってしまい、指紋が検出された可能性があるため、マンションの部屋の指紋を拭き取っていたのだ。小檜山は自首し、住居不法侵入で逮捕された。だが、殺人に関しては否認した。小檜山は榎本に「自分が侵入する前は、部屋が密室でした。このままでは、自分が犯人にされてしまう。密室の謎を解いて欲しい」と依頼する。
鍵を持っていた郁子を疑う芹沢だったが、榎本は「密室にするメリットがない」と告げる。
芹沢は、新世紀アートミュージアムに行き、「藤林さんが生前、寄贈中止を考えていた」と告げる。郁子を寄贈先の美術館館長の平松(佐野史郎)と面会させ、寄贈を中止できないか、と話し合ったが、平松館長は「それはできない。なんとしても寄贈していただく」と主張した。
館内にいた榎本と純子は、企画展のために作品を制作中だという有名アーティストの稲葉透(藤木直人)に会う。稲葉が制作したのは、遊園地のミラーハウスを模した迷路と、そこにはめ込まれた、ハンプティ・ダンプティーの巨大なオブジェだった。中のモチーフは「鏡の国のアリス」であり、錯視を利用した作品がおかれていたことから、榎本は事件解決のヒントを得る。
一方、芹沢の元へは、脅迫者から電話も掛かるようになっていた。芹沢は怯え、「スケジュールを1つずつズラして欲しい」と言う。その言葉をヒントに、榎本は密室事件を解決する。
翌日、稲葉を同行して平松館長の元を訪れると、引き戸に紐をかけて首を吊っているのを発見した。そしてその場には遺書がのこされ、藤林殺害を自供する内容であった。だが、榎本は「その遺書は偽物です」と告げる。
藤林を撲殺したのは、平松館長だった。平松館長は、一緒に郁子とゴルフ練習場に行き、アイアンを握らせた。その指紋のついたグリップを付け替え、郁子に罪を着せようとしたのだ。だが、その指紋を小檜山が拭きとってしまったのだ。
密室は、平松館長が玄関のドアのサムターンを近くの窓から紐をつかって閉め、さらにその窓は近くの窓から閉め…と1つずつドアを閉めていったのだ。だが、こうした作業と遺書に書かれた内容は矛盾だらけであり、平松館長は誰かに殺害されたのだ、と榎本は断言する。だが、監視カメラに誰も館長室に入った様子が映っていなかったことから、鴻野刑事は「現場は密室だ。自殺以外はありえない」と言うのだった。
青砥は榎本の防犯ショップを訪れ、そこで美術館での事件を検証する。大展示室の2分間の停電、そして迷路入り口に幕が張られた時間(23時台、24時台)があり、密室と作り出すための何らかの工作が行われた可能性を考える。
青砥は聞き込みにより、稲葉は平松館長と専属契約20年などの支援を受けて大成したが、スランプに陥り、企画展の開催が危ぶまれていた、と噂されていたのを知る。一方で、稲葉のスタッフは「稲葉さんは、アトリエでは精力的に創作していた。スランプのフリをしていたのではないか」と証言したのだった。
青砥は美術館資料の帳簿で、美術品の売買を行っていた先が、反社会的勢力であることを発見する。それを芹沢に電話で告げるのだったが、芹沢は街中で刺されてしまう。だが、芹沢を刺したのは、別の案件で逆恨みされた人物であることが判明する。
病床で芹沢が「サングラスを掛けたままテレビ画面を観てたら、画面が真っ暗でテレビが壊れていると思った。それに気を取られていたら、刺されてしまったのだ」と話をしていたことから、榎本は監視カメラを欺いた密室トリックを解明する。
榎本と青砥は、稲葉の元を訪れる。そして、「平松館長を殺害したのは、あなただ」と告げる。芹沢は、「平松館長は、稲葉さんの作品を隠れ蓑にして、マネーロンダリングを行っていることを知った。そして、それに気づいた藤林さんが寄贈を取りやめようとしたのです。そして、寄贈中止を告げられた平松館長は、藤林さんを殺害した」と指摘する。さらに、「平松館長を許せない稲葉さんは、平松館長を殺害したのです」と告げる。
まず、稲葉は入り口に幕を張った隙にハンプティダンプティーの顔を裏返し、入り口付近に空間を作って通った。これは、ホロウマスク錯視(Hollow face 錯視:凹面の顔が通常の凸面の顔として認識される錯視のひとつ)を使ったトリックだったのだ。
監視カメラに映っていない床上を這って迷路に入り、さらに出口付近の監視カメラに、停電を起こして偏光レンズを取り付けた。迷路の出口も偏光フィルターが張られており、体が映らないようにしたのだ。まずは自身の姿を監視カメラに映し、その後、偏光レンズを90°回転させ、フィルターの貼られた部分が黒くなった状態にしていたのだった。
このようにして館長室に入った稲葉は、平松館長を殺害し、ハンプティダンプティーの顔を元に戻し、偏光レンズを回収したのだった(暗視モードに切り替わる瞬間に、偏光レンズを外した)。だが、偏光フィルターなどはそのままであったため、それが証拠として突きつけ、榎本は稲葉を犯人として断定した。
稲葉は、平松館長を盗聴器とGPSで監視していた。その盗聴で稲葉が自分の作品をマネーロンダリングに使っているのを知り、さらに藤林氏殺害の犯人が平松館長であることを知ったのだ。また、稲葉の作品に高値がついたのはオークションでの平松による価格操作だと告げられた稲葉は、平松殺害を決意したのだった。
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起:芹沢の巻き込まれた事件
榎本径(大野智)が姿を消してから半年、芹沢豪(佐藤浩市)と青砥純子(戸田恵梨香)は、弁護士として順調に業務をこなしていた。
そんな折、芹沢が相談依頼を受けていた証券会社会長の藤林(黒部進)が撲殺されるという事件が起こる。しかも、藤林の姪の郁子(黒木瞳)とともに遺体を発見したのは芹沢だった。
刑事の鴻野(宇梶剛士)から藤林との関係を聞かれた芹沢は、「藤林の亡くなった妻の10億円相当の絵画コレクションを美術館に寄贈する話を仲介していた」と話をした。警察は、裏庭に面した窓の鍵が外されていたため、侵入強盗と考える。そして、芹沢は近辺で怪しい人物を見かけた、と語った。
承:密室活人事件
およそ1ヶ月後、弁護士事務所に高齢の朝妻(ト字たかお)がマンションの管理人の小檜山(岡田義徳)に付き添われてやってくる。応対した純子に朝妻は、心臓発作で倒れたときに自分を助けてくれた命の恩人を探してほしい、と訴える。
朝妻を助けた人物は、朝倉が倒れていた自室まで来て応急措置を施し、119番通報をしたまま姿を消したのだという。だが、その部屋は窓に鍵はかかり、玄関の扉は補助錠まで掛かっていた。この「密室活人事件」を解決して、その人物を見つけ出して欲しい、という依頼だった。
同じ頃、芹沢は郁子に会っていた。藤林を殺害した犯人は捕まっていないが、寄贈についての話を進めたい、という芹沢に郁子は寄贈を中止してほしいと頼む。「事件の前日に、藤林が寄贈を中止したいと話していた」と郁子は証言する。 だが、芹沢は「相続に関する利害関係もあり、あなたの証言を鵜呑みにすることはできない。中止はできない」と拒否する。その時の郁子の態度に疑問を持った芹沢は、鴻野に連絡をする。その最中、芹沢は階段から突き落とされ、負傷する。
郁子の会社は経営難にあえいでおり、唯一の遺産相続人であったのだ。そのため、郁子が侵入強盗にみせかけて藤林を殺害したのではないか、と考えたのだ。だが、郁子にはアリバイがあった。
転:マンション管理人・小檜山の正体、そして依頼
別の日、純子は朝妻のマンションの住民から聞き込みをしていた。青砥は、近所で「連続掃除魔事件」という、部屋を勝手に掃除されていたという事件を知る。そこに、小檜山に連れられた男がやって来る。その人物こそ、榎本だった。純子は、新しい防犯カメラを設置するために呼ばれたという榎本を朝妻の部屋に連れて行く。
榎本は、「補助錠の受け手であるストライクをあらかじめ外し、両面テープでドアに貼り付けていた。その後、ストライクを元に戻したのだ」と明かす。そして、「連続掃除魔事件」の延長線で「密室活人事件」が起きたのだ、と指摘する。小檜山がその犯人であり、マンションの管理人をしつつ空き巣をしていたため、その指紋を拭き取る必要があったため、掃除をしていたのだ。小檜山は殺人犯として警察に追われていたのだ。
小檜山は全てを自供した。彼は藤林の自宅に侵入し、藤林の遺体を発見した。その際に、遺体を触ってしまい、指紋が検出された可能性があるため、マンションの部屋の指紋を拭き取っていたのだ。小檜山は自首し、住居不法侵入で逮捕された。だが、殺人に関しては否認した。小檜山は榎本に「自分が侵入する前は、部屋が密室でした。このままでは、自分が犯人にされてしまう。密室の謎を解いて欲しい」と依頼する。
鍵を持っていた郁子を疑う芹沢だったが、榎本は「密室にするメリットがない」と告げる。
結:事件解決
芹沢は、新世紀アートミュージアムに行き、「藤林さんが生前、寄贈中止を考えていた」と告げる。郁子を寄贈先の美術館館長の平松(佐野史郎)と面会させ、寄贈を中止できないか、と話し合ったが、平松館長は「それはできない。なんとしても寄贈していただく」と主張した。
館内にいた榎本と純子は、企画展のために作品を制作中だという有名アーティストの稲葉透(藤木直人)に会う。稲葉が制作したのは、遊園地のミラーハウスを模した迷路と、そこにはめ込まれた、ハンプティ・ダンプティーの巨大なオブジェだった。中のモチーフは「鏡の国のアリス」であり、錯視を利用した作品がおかれていたことから、榎本は事件解決のヒントを得る。
一方、芹沢の元へは、脅迫者から電話も掛かるようになっていた。芹沢は怯え、「スケジュールを1つずつズラして欲しい」と言う。その言葉をヒントに、榎本は密室事件を解決する。
翌日、稲葉を同行して平松館長の元を訪れると、引き戸に紐をかけて首を吊っているのを発見した。そしてその場には遺書がのこされ、藤林殺害を自供する内容であった。だが、榎本は「その遺書は偽物です」と告げる。
藤林を撲殺したのは、平松館長だった。平松館長は、一緒に郁子とゴルフ練習場に行き、アイアンを握らせた。その指紋のついたグリップを付け替え、郁子に罪を着せようとしたのだ。だが、その指紋を小檜山が拭きとってしまったのだ。
密室は、平松館長が玄関のドアのサムターンを近くの窓から紐をつかって閉め、さらにその窓は近くの窓から閉め…と1つずつドアを閉めていったのだ。だが、こうした作業と遺書に書かれた内容は矛盾だらけであり、平松館長は誰かに殺害されたのだ、と榎本は断言する。だが、監視カメラに誰も館長室に入った様子が映っていなかったことから、鴻野刑事は「現場は密室だ。自殺以外はありえない」と言うのだった。
青砥は榎本の防犯ショップを訪れ、そこで美術館での事件を検証する。大展示室の2分間の停電、そして迷路入り口に幕が張られた時間(23時台、24時台)があり、密室と作り出すための何らかの工作が行われた可能性を考える。
青砥は聞き込みにより、稲葉は平松館長と専属契約20年などの支援を受けて大成したが、スランプに陥り、企画展の開催が危ぶまれていた、と噂されていたのを知る。一方で、稲葉のスタッフは「稲葉さんは、アトリエでは精力的に創作していた。スランプのフリをしていたのではないか」と証言したのだった。
青砥は美術館資料の帳簿で、美術品の売買を行っていた先が、反社会的勢力であることを発見する。それを芹沢に電話で告げるのだったが、芹沢は街中で刺されてしまう。だが、芹沢を刺したのは、別の案件で逆恨みされた人物であることが判明する。
病床で芹沢が「サングラスを掛けたままテレビ画面を観てたら、画面が真っ暗でテレビが壊れていると思った。それに気を取られていたら、刺されてしまったのだ」と話をしていたことから、榎本は監視カメラを欺いた密室トリックを解明する。
榎本と青砥は、稲葉の元を訪れる。そして、「平松館長を殺害したのは、あなただ」と告げる。芹沢は、「平松館長は、稲葉さんの作品を隠れ蓑にして、マネーロンダリングを行っていることを知った。そして、それに気づいた藤林さんが寄贈を取りやめようとしたのです。そして、寄贈中止を告げられた平松館長は、藤林さんを殺害した」と指摘する。さらに、「平松館長を許せない稲葉さんは、平松館長を殺害したのです」と告げる。
まず、稲葉は入り口に幕を張った隙にハンプティダンプティーの顔を裏返し、入り口付近に空間を作って通った。これは、ホロウマスク錯視(Hollow face 錯視:凹面の顔が通常の凸面の顔として認識される錯視のひとつ)を使ったトリックだったのだ。
監視カメラに映っていない床上を這って迷路に入り、さらに出口付近の監視カメラに、停電を起こして偏光レンズを取り付けた。迷路の出口も偏光フィルターが張られており、体が映らないようにしたのだ。まずは自身の姿を監視カメラに映し、その後、偏光レンズを90°回転させ、フィルターの貼られた部分が黒くなった状態にしていたのだった。
このようにして館長室に入った稲葉は、平松館長を殺害し、ハンプティダンプティーの顔を元に戻し、偏光レンズを回収したのだった(暗視モードに切り替わる瞬間に、偏光レンズを外した)。だが、偏光フィルターなどはそのままであったため、それが証拠として突きつけ、榎本は稲葉を犯人として断定した。
稲葉は、平松館長を盗聴器とGPSで監視していた。その盗聴で稲葉が自分の作品をマネーロンダリングに使っているのを知り、さらに藤林氏殺害の犯人が平松館長であることを知ったのだ。また、稲葉の作品に高値がついたのはオークションでの平松による価格操作だと告げられた稲葉は、平松殺害を決意したのだった。
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