・監督：ジム・シェリダン
・脚本：デイヴィッド・ベニオフ
・原案：アナス・トーマス・イエンセン、スサンネ・ビア

簡単に説明すると…
1) 兄のサム（トビー・マグワイア）が人望の厚い米軍大尉だった。一方、トミー（ジェイク・ギレンホール）は定食にも付かず、銀行強盗で服役していた。
2) 出所したトミーは、サムが戦地で行方不明となったことを知り、死亡したと思う。そこで、大好きな兄のため、サムの家族を支えるべきだと思う。その思いが伝わり次第に、サムの妻・グレースと心を通わせ、禁断の恋に落ちる。
3) だが、サムは生存しており、帰還した。戦地でのトラウマから、サムは以前のサムではなかった。長女との口論の後、妻の不貞を知り、暴れて逮捕される。面会に来た妻・グレースに、「部下を殺害するように強要された」と明かし、心の傷となったことを告白する。そんな夫の傷を癒やすように、妻・グレースはサムを抱きしめる。

起：兄サムと弟トミー

サム（トビー・マグワイア）とトミー（ジェイク・ギレンホール）は2人きりの兄弟だが、対照的な人生を送っていた。

アメフトのスター選手として学生時代を過ごした兄のサムは、チアリーダーのグレース（ナタリー・ポートマン）と結婚、2人の娘に恵まれる。その後、米軍大尉として功績を残し、人望も厚い男だった。一方、弟のトミーは、長年定職にも就かず、挙句の果てに銀行強盗で服役する。

承：戦地に消えたトミー

トミーの出所日、サムは数日後に戦地への出発を控えていたが、車で弟を迎えに行く。だが、出所したトミーの居場所はどこにもなかった。元海兵隊の父・ハンク（サム・シェパード）は厄介者の次男に辛辣な言葉を投げつけ、グレースと娘たちも彼への嫌悪を隠そうとしない。

トミーが唯一心を開くのは、母親を亡くし、寂しい子供時代を共に支え合ったサムだけであった。ところが、サムが戦地へ旅立って間もなく、サムの一隊がアフガニスタンで撃墜されたとの知らせが届く。

転：トミーとグレースの恋

現実から逃げるかのように酒に溺れるトミー。そんな彼は次第に、兄が何よりも大切にしていたグレースと娘たちを、自分が支えなくては、と思い始める。

以前からグレースが使いづらいと嘆いていたキッチンのリフォームを進めるうちに、娘たちは徐々に笑顔を取り戻し、最初は迷惑そうだったグレースの気持ちも救われていく。グレースの誕生日にキッチンを完成させてからも、トミーは手直しを口実にグレースたちを訪ねる。そしてある夜、初めて本音を語り合ったトミーとグレースはどちらからともなく唇を重ねるのだった。

罪悪感を覚えながらも、互いに惹かれていく2人に、ある日一報が届く。サムが生きていたのだ。アフガニスタンでは、サムはン亡くなっていなかった。2人の部下とともに、サムはタリバンの捕虜となっていた。

タリバンは「お前が死ぬか、もう片方が死ぬかだ」と、サムに部下を殺害することを強要した。サムは部下を鉄パイプで殴打し、心に大きな傷を負ってしまっていた。

結：囚われたサム

グレースやトミーたちは、空港に降り立つサムの痩せ細った姿に驚きながらも再会を祝う。だがサムは、もはや以前のサムではなかった。

突然、わけもなく激怒しては、娘たちを脅えさせ、やがて彼は、執拗にトミーとグレースの仲を疑い始めるのだった。些細なきっかけでサムは長女・イザベルと口論となる。結果、イザベルは「死んでいればよかった。…母さんはサムと寝ている」と明かしてしまう。
深夜、サムはトミーの直したキッチンを、鉄パイプで何度も殴りつけて破壊した。そして、拳銃を握りしめていた。そんな異常事態を察し、トミーは警察に通報していた。

サムは取り押さえられ、逮捕された。グレースが面会に来て、理由を訊かれたサムは「部下を殺したんだ。その時、俺も死んでしまった」と明かす。悲しげなサムを、グレースは抱きしめるのだった。


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