登場人物

犀川創平：国立N大学建築学部の助教授。
西之園萌絵：犀川の恩師の娘、犀川の教え子(ゼミ生)。
喜多北斗：犀川の友人。
木熊京介：「極地環境研究センター」教授。
市ノ瀬里佳：木熊の助手。
丹羽健二郎：「極地環境研究センター」院生→何者かに刺殺される。
服部珠子：「極地環境研究センター」院生→何者かに刺殺される。
増田潤：2年前に失踪した院生。

簡単に説明すると…
1) 木熊教授と一ノ瀬里佳は、実はその関係は公になっていないが、親子だった。この2人が丹羽健二郎と服部珠子をともに殺害した。
2) 殺害の動機は、
　・2年前に丹羽が一ノ瀬を乱暴
　・さらにはそのことを一ノ瀬の恋人だった増田に知らせ、
　・苦悩した増田は失踪してしまった
ということだった。
3) 丹羽と珠子に、木熊と一ノ瀬は、「2人のサプライズ婚約パーティを行う」ともちかけ、互いに防寒スーツに入るタイミングを交換することで、氷点下20℃の研究室に入れ替わりで入ることを提案。丹羽・珠子が研究室に入っていると思われた時には、木熊・一ノ瀬が入っていたのだった。さらに、木熊・一ノ瀬は互いのアリバイ作りを行い、外部の人間の犯行に見せかけようとした。ところが、シャッターが故障し、外部の人間による犯行に見せかけることができなくなってしまった。
4) 木熊教授は自殺し、一ノ瀬はクレーンを片付けることで他殺に見せかけた。さらに、木熊教授が自殺した時間、その間に一ノ瀬は、他県にいてアリバイ作りを行っていたのだった。

事件の発生・経過

神南大学工学部建築学科3年の西之園萌絵（武井咲）は、同学科の准教授の犀川創平（綾野剛）に、ある報告をした。“もっとも神に近い人間”と犀川も絶賛する天才プログラマーの真賀田四季（早見あかり）に、面会して来たというのだ。四季は、事情により幽閉されているが、萌絵は、県知事の叔母に頼んで面会にこぎつけた。

犀川がそれをうらやんでいると、助教の国枝桃子（水沢エレナ）がやって来る。犀川は国枝に、これから同大学の極地環境研究センターに出かけると話す。犀川に好意を持つ萌絵は、一緒に付いて行く。

ふたりを迎えた工学部土木工学科准教授の喜多北斗（小澤征悦）の案内で、萌絵と犀川はマイナス20度の低温実験室を見学する。その後、萌絵の先輩の服部珠子に誘われ、ふたりは実験終了の打ち上げに参加。そこには、土木工学科教授の木熊京介（平田満）や助教の市ノ瀬里佳（市川由衣）を始め、複数の学生もいた。

打ち上げは始まったが、珠子と大学院生の丹羽健二郎が姿を見せない。不審に思った学生らが探すと、実験室の隣室で珠子が、さらにその隣室で丹羽が刺殺されていた。

駆けつけた警察により、喜多らは事情を聞かれる。萌絵と犀川もそこにいたが、刑事の鵜飼大介（戸次重幸）によって帰宅を許される。驚く現場の刑事に鵜飼は、萌絵が県警本部長の西之園捷輔（吉田鋼太郎）の姪だと明かす。すると、突然萌絵が、犯人の逃走経路について話し始める。

事件の捜査

実験室へと続く出入り口は、全部で3つである。
・室内からの出入口(犀川らがいた)。
・実験室の裏口。
・シャッターのある出入口。

シャッターは故障しており、出入りすることは不可能。外部の人間による犯行は考えられなかった。犀川は、犯人は外部の人間による犯行に見せかけるつもりだったが、シャッターの故障が起きてしまい、計画が狂ったのではないか、と推理した。

その後、西之園が研究室で襲撃を受けた後、木熊教授の遺体で発見される。木熊教授は首にロープがくくられており、遺体はクレーンで引き上げられた様子だった。ところが、クレーンが現場になかったため、他殺と判断された。第一発見者は市ノ瀬だった。疑われる市ノ瀬だったが、彼女には死亡推定時刻に県外に居たというアリバイがあった。

だが、犀川には事件の全容が分かっていた。犀川に呼び出された一ノ瀬は、彼から逃げ出し自殺を試みるも、一命を取り留める。

事件の真相

丹羽と珠子は、婚約していた。木熊と市ノ瀬は、「2人のため、サプライズパーティを計画している」と、その計画のため、奇妙な提案を行う。その提案とは、丹羽が木熊と、珠子が市ノ瀬とそれぞれ実験直前に入れ替るというものだった。

だが、木熊と市ノ瀬は、丹羽と珠子をそれぞれその場で殺害。彼らは、互いに偽証し、アリバイを作っていたのだった。

ところが、シャッターの故障で外部犯行の可能性が消えてしまった。木熊教授は自身が疑われていることを知り、市ノ瀬を守るべく彼女のアリバイがある日に自殺したのだった。第一発見者となった市ノ瀬は、クレーンを片付け、自殺を他殺に偽装したのだった。

2年前、市ノ瀬は増田と交際していた。ところが、丹羽に酩酊していたところ乱暴されてしまった。しかも、事もあろうに丹羽は、増田にこれを明かしてしまう。結果、増田は失踪してしまう。

丹羽は、増田と市ノ瀬の関係を知り、助手と生徒とのあってはならない関係について木熊教授を脅迫し始めた。このことを木熊から聞かされた市ノ瀬は、実は父親である木熊教授に、増田の非道な行いを打ち明けた。

木熊教授と市ノ瀬は、丹羽の殺害を決め、さらには秘密を知られている可能性のあった珠子も殺害したのだった。


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