「イニシエーション・ラブ」あらすじ・ネタバレ
2014.10.27 (Mon)
著者:乾くるみ
1) side-Aでは、女性経験のない大学生・鈴木夕樹が、参加した初めての合コンで、歯科衛生士の成岡繭子に出会い、恋をする。夕樹は「たっくん」と呼ばれ、初めての彼女との初々しい恋愛が描かれている。
2) side-Bでは、繭子と付き合う「たっくん」が、東京本社に派遣されることとなり、静岡と東京の遠距離恋愛をしながらも、東京で出会った石丸美弥子とも関係をもつようになり、結局は美弥子を選ぶというストーリーになっている。繭子は妊娠するが、堕胎することとなった。
3) side-Bのラストで、side-AとBの「たっくん」が別人であり、繭子はside-Aの鈴木夕樹とside-Bの辰也との二股をかけていたことが明かされる。
静岡大学数学科の4年生・鈴木夕樹は、人数合わせで参加した初めての合コンで、歯科衛生士の成岡繭子にひと目で恋に落ちてしまう。彼女は高そうなルビーの指輪をしており、「自分へのご褒美で買った」と語っていた。その合コンの後、同じメンバーで静波海岸に行くことになり、電話番号を教えてもらう。
読書が好きで、主に推理小説を好む。古典文学を好む繭子とは小説の好みが異なったが、本を貸し借りする内に、次第に親しくなっていった。その中で、夕樹という名前が「タキ」とも読めることから、「たっくん」と呼ばれるようになる。夕樹は繭子のことを「マユちゃん」と呼ぶようになる。
「服装にも気をつけた方が良い」というアドバイスから、メガネをコンタクトに変え、服も買うようになった。さらに、免許を持った方が良いと言われ、自動車学校にも通うようになった。
いつものメンバーでテニスを行うようになり、その晩、繭子に自宅に誘われ、夕樹は初めて女性と関係を持った。繭子も初めてであるという。
マユと夕樹はデートを重ねるようになり、クリスマスイブも静岡ターミナルホテルでディナーを行い、幸せな恋人同士の時間を過ごしていた。
「たっくん」は、繭子と付き合っており、慶徳ギフト静岡に勤めていた。成績優秀であるため、東京派遣への内示を受け、繭子を置いて引っ越しをしなければならなかった。だが、毎週のように静岡へ帰り、東京と静岡を往復する生活を続けていた。
そんな中、東京本社で優秀で魅力的な女性社員・石丸美弥子と出会う。美弥子からのアプローチもあり、繭子を裏切りことはできないという思いもありつつ、徐々に気持ちが傾いていってしまう。
そんな中、繭子から「妊娠したかもしれない」と告げられてしまう。迷った末に妊娠3ヶ月で堕胎をすることを選択した。次第に静岡からは足が遠のいてしまい、さらには美弥子とも関係を持ってしまう。
繭子と美弥子の両方共関係をもつ生活を続けていたが、とうとう、「たっくん」は繭子を「美弥子」と呼んでしまい、破局を迎える。繭子は、「たっくん」へと、青いルビーの指輪を返す。
たっくんは、静岡ターミナルホテルでのクリスマスイブ予約をキャンセルし、石丸家の家族とディナーをとることにした。
・side-Aの人物は、鈴木夕樹、side-Bの人物は鈴木辰也であり、全くの別人である。
・最後の二行で別人であることが明示され、繭子も二股をかけていたことが判明する。
・ストーリーの中には、side-AとBでは「たっくん」が別人であるということが暗示された、数多くの伏線が張られている。
1) 鈴木夕樹という名前にも関わらず、「たっくん」というこじつけのようなニックネームで呼んでいたのは、辰也の呼び名と間違えないため。
2) 静波海岸へ合コンのメンバーと行ったため、辰也とのデートの時に日焼け痕を指摘されている。
3) 夕樹との初デートのときに、たばこを勧められたにも関わらず断ったのは、妊娠していた可能性があったため。堕胎後は喫煙している。
4) 夕樹とのデートで、やつれたように見えたのは、堕胎2日後であったため。夕樹には、「便秘で一泊入院した」と説明していた。
5) 夕樹との性交渉でぎこちなかったのは、堕胎手術から間もなくだったから。また、コンドーム無しでの行為にもかなり戸惑いをみせていた。
6) 辰也へ、ルビーの指輪を返したため、繭子はクリスマスイブのディナーで、「ルビーの指輪を失くした」と説明していた。
7) 夕樹が静岡ターミナルホテルに電話をして、「ちょうどキャンセルが出ました」ということで、幸運にも予約が取れたのは、辰也が繭子とのディナーをキャンセルしたため。
8) 辰也が破局後に酔って繭子に電話をかけたところ、「たっくん?」という声の普通さに驚いているが、繭子は辰也ではなく、「夕樹が掛けてきたのではないか」と思って呼びかけたのである。辰也は「まだ破局したことを認識していないのではないか」と思っているが、既に繭子は辰也を見限り、夕樹との恋愛に前向きになっている。
9) side-Aでは、「夕樹は富士通に内定が決まっている」と記載されているが、side-Bでは、慶徳ギフト静岡に勤務している。
10) 辰也にとった繭子との恋愛が「イニシエーション・ラブ=通過儀礼的な大人になるための恋愛」であったように、繭子にとっても、辰也との恋愛はイニシエーション・ラブであり、新たな恋に向かい始めていた。
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簡単なあらすじ
1) side-Aでは、女性経験のない大学生・鈴木夕樹が、参加した初めての合コンで、歯科衛生士の成岡繭子に出会い、恋をする。夕樹は「たっくん」と呼ばれ、初めての彼女との初々しい恋愛が描かれている。
2) side-Bでは、繭子と付き合う「たっくん」が、東京本社に派遣されることとなり、静岡と東京の遠距離恋愛をしながらも、東京で出会った石丸美弥子とも関係をもつようになり、結局は美弥子を選ぶというストーリーになっている。繭子は妊娠するが、堕胎することとなった。
3) side-Bのラストで、side-AとBの「たっくん」が別人であり、繭子はside-Aの鈴木夕樹とside-Bの辰也との二股をかけていたことが明かされる。
side-A
静岡大学数学科の4年生・鈴木夕樹は、人数合わせで参加した初めての合コンで、歯科衛生士の成岡繭子にひと目で恋に落ちてしまう。彼女は高そうなルビーの指輪をしており、「自分へのご褒美で買った」と語っていた。その合コンの後、同じメンバーで静波海岸に行くことになり、電話番号を教えてもらう。
読書が好きで、主に推理小説を好む。古典文学を好む繭子とは小説の好みが異なったが、本を貸し借りする内に、次第に親しくなっていった。その中で、夕樹という名前が「タキ」とも読めることから、「たっくん」と呼ばれるようになる。夕樹は繭子のことを「マユちゃん」と呼ぶようになる。
「服装にも気をつけた方が良い」というアドバイスから、メガネをコンタクトに変え、服も買うようになった。さらに、免許を持った方が良いと言われ、自動車学校にも通うようになった。
いつものメンバーでテニスを行うようになり、その晩、繭子に自宅に誘われ、夕樹は初めて女性と関係を持った。繭子も初めてであるという。
マユと夕樹はデートを重ねるようになり、クリスマスイブも静岡ターミナルホテルでディナーを行い、幸せな恋人同士の時間を過ごしていた。
side-B
「たっくん」は、繭子と付き合っており、慶徳ギフト静岡に勤めていた。成績優秀であるため、東京派遣への内示を受け、繭子を置いて引っ越しをしなければならなかった。だが、毎週のように静岡へ帰り、東京と静岡を往復する生活を続けていた。
そんな中、東京本社で優秀で魅力的な女性社員・石丸美弥子と出会う。美弥子からのアプローチもあり、繭子を裏切りことはできないという思いもありつつ、徐々に気持ちが傾いていってしまう。
そんな中、繭子から「妊娠したかもしれない」と告げられてしまう。迷った末に妊娠3ヶ月で堕胎をすることを選択した。次第に静岡からは足が遠のいてしまい、さらには美弥子とも関係を持ってしまう。
繭子と美弥子の両方共関係をもつ生活を続けていたが、とうとう、「たっくん」は繭子を「美弥子」と呼んでしまい、破局を迎える。繭子は、「たっくん」へと、青いルビーの指輪を返す。
たっくんは、静岡ターミナルホテルでのクリスマスイブ予約をキャンセルし、石丸家の家族とディナーをとることにした。
解説
・side-Aの人物は、鈴木夕樹、side-Bの人物は鈴木辰也であり、全くの別人である。
・最後の二行で別人であることが明示され、繭子も二股をかけていたことが判明する。
・ストーリーの中には、side-AとBでは「たっくん」が別人であるということが暗示された、数多くの伏線が張られている。
1) 鈴木夕樹という名前にも関わらず、「たっくん」というこじつけのようなニックネームで呼んでいたのは、辰也の呼び名と間違えないため。
2) 静波海岸へ合コンのメンバーと行ったため、辰也とのデートの時に日焼け痕を指摘されている。
3) 夕樹との初デートのときに、たばこを勧められたにも関わらず断ったのは、妊娠していた可能性があったため。堕胎後は喫煙している。
4) 夕樹とのデートで、やつれたように見えたのは、堕胎2日後であったため。夕樹には、「便秘で一泊入院した」と説明していた。
5) 夕樹との性交渉でぎこちなかったのは、堕胎手術から間もなくだったから。また、コンドーム無しでの行為にもかなり戸惑いをみせていた。
6) 辰也へ、ルビーの指輪を返したため、繭子はクリスマスイブのディナーで、「ルビーの指輪を失くした」と説明していた。
7) 夕樹が静岡ターミナルホテルに電話をして、「ちょうどキャンセルが出ました」ということで、幸運にも予約が取れたのは、辰也が繭子とのディナーをキャンセルしたため。
8) 辰也が破局後に酔って繭子に電話をかけたところ、「たっくん?」という声の普通さに驚いているが、繭子は辰也ではなく、「夕樹が掛けてきたのではないか」と思って呼びかけたのである。辰也は「まだ破局したことを認識していないのではないか」と思っているが、既に繭子は辰也を見限り、夕樹との恋愛に前向きになっている。
9) side-Aでは、「夕樹は富士通に内定が決まっている」と記載されているが、side-Bでは、慶徳ギフト静岡に勤務している。
10) 辰也にとった繭子との恋愛が「イニシエーション・ラブ=通過儀礼的な大人になるための恋愛」であったように、繭子にとっても、辰也との恋愛はイニシエーション・ラブであり、新たな恋に向かい始めていた。
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