「生ける屍の死」あらすじ・ネタバレ
2015.02.12 (Thu)
登場人物
・スマイリー・バーリイコーン:スマイル霊園の支配人で、病で死期が近いと言われている。
・モニカ:スマイリーの後妻で、脚が不自由で車椅子に乗っている。
・ジョン:スマイリーの長男。スマイル霊園の跡取り。
・ウィリアム:スマイリーの次男。
・ヘレン:ウィリアムの妻。
・フランシス(通称 グリン):スマイリーの孫で、三男・スティーヴンの子。
・ジェシカ:スマイリーの長女。
・イザベラ・シムカス:スマイリーの長男・ジョンの愛人。ウィリアムと不倫関係にある。
・サーガ(チェシャ)イザベラの娘で、グリンの恋人。
・ヴィンセント・ハーススマイル霊園顧問で、死学博士。
・リチャード・トレイシー:マーブルタウン署警部。
・ジェイムズ:スマイリーと後妻・モニカの子であり、ジェイスンと双生児。
・ジェイスン:ジェイムズとの双生児であるが、すでに亡くなっている。
簡単なあらすじ
1) 1900年代末、アメリカ各地で、死者が蘇るという奇怪な現象が起こっていた。そんな中、「スマイル霊園」の支配人、スマイリー・バーリイコーンの一族に奇妙な事件が起こるのだった。
2) 主人公で、スマイリーの孫であるグリンは、紅茶に入れられた毒物で死亡する。だが、生ける屍として蘇る。そして、グリンは、自分が遺産相続をめぐる計画殺人に巻き込まれたのではないか、と考え、調査に乗り出す。
3) この毒死は、事故で偶発的に起こったものと判明する。同じく、毒入りの紅茶を飲んだのだが、スマイリーの長男・ジョン、スマイリーの後妻のモニカは、すでに生ける屍でだったので、影響がなかったのだった。スマイリーを火葬しようとしていたジョンの意見に、モニカは反対して撲殺。さらに、モニカは近辺で起きた女子高生の連続殺人事件の犯人として疑われた四男・ジェイムズを撲殺した、とグリンは推理。
4) この一連の事件の推理を聞き、自殺して蘇ったスマイリーは、ジョン・モニカを巻き込み、館に火を放って、無に還そうとする。事件をすべて解決したグリンは、二度目の死を迎えた。
起:グリンの死
1900年代末、アメリカ各地で、死者が蘇るという奇怪な現象が起こっていた。バーリイコーン一族は、ニューイングランドの田舎町・トゥームズヴィル州で、「スマイル霊園」を経営していた。
スマイル霊園の支配人であるスマイリー・バーリイコーンの孫・フランシス(通称 グリン)は、最近、スマイリー一族の屋敷に滞在していた。グリンには、サーガ(通称 チェシャ)という恋人がおり、お互いにパンク好きの趣味で繋がっていた。チェシャは、長男の後妻に納まる予定のイザベラの娘だった。
グリンとチェシャがスマイル霊園にたどり着くと、事件が発生する。一族のお茶会の日、グリンは、誤って毒を口にし、自室で亡くなるが、蘇えるのだった。
グリンは、自分が遺産相続をめぐる計画殺人に巻き込まれたのではないか、と考え、すでに一度、死んでいることを周囲に隠しつつ真相を暴こうとする。
承:ジョンの死
グリンは、砂糖を入れた紅茶を飲み、当主・バーリイコーンから缶入りのチョコレートをもらい、自室で2個食べた。紅茶は他の家族も砂糖を入れて飲んでいるので、怪しいのは缶入りのチョコレートと考える。
グリンは、スマイル霊園顧問で死学博士であるヴィンセント・ハースを頼り、防腐処理とエンバーミングを受ける。
グリンならずも、次の死者が出る。当主のスマイリーが、毒物で死亡した模様だった。部屋は施錠され、密室状態であった。グリンは、スマイリーの死生観を日頃から聞いており、自殺なのではないか、と考える。
さらに、スマイリーの長男であるジョンが、背後から何者かに刺殺された。監視カメラには、『13日の金曜日』のジェイソンマスクをつけた人物が映されていた。
その後、ジョンが蘇り、霊柩車に乗って逃亡する。グリンと警察はジョンを追跡するが、ジョンの霊柩車は、ガソリンスタンドで炎上する。また、霊安室に安置されていた、仮面男の姿を消えていた。
当主・スマイリーの葬儀が行われるが、トレイシー警部が埋葬の途中で死者の顔を確認しようとすると、そこに遺体はなかった。
転:グリンの推理
トレイシー警部は、「スマイリーと後妻・モニカとの子供・ジェイムズが犯人。近辺で最近起きた4人の女子高生の拉致・殺害事件をジョンに気づかれ、口封じ目的および霊園の跡取りとなるため、事件を起こした」と推理する。だが、すでにジェイムズは何者かに後頭部を殴打され、殺害されていたことが判明し、トレイシー警部の推理は誤りだと判明する。
ジェイムズも蘇り、また、スマイリー、ジョンも蘇り、一堂に会する。そこで、グリンは自身の推理を語りだす。
グリンが毒物を飲んでしまったのは、不幸な事故だった。色盲の従業員が、誤って毒物を砂糖壺に入れてしまい、混入してしまったのだった。その時、チェシャ、モニカも、ジョンも毒入りの砂糖を紅茶に入れていた。チェシャは、窓から紅茶を捨てたのだというが、モニカとジョンは、飲んでいた。実は、その毒物を飲む前、すでに生ける屍となっていたのだった。
ジョンは、何者かに後頭部を殴打され、以前に死亡していた。彼は、妊娠中であるジェシカのお腹の子の今後の保証を確保するまでは、死ねないと考え、生きている振りをしたのだった。
そんなジョンを撲殺したのは、モニカだった。モニカは、生前は体が不自由だったが、死亡した後は、歩行出来るようになっていた。ジョンが、スマイリーの遺体を「火葬する」と言っていたことが許せなかったのだった。
モニカはさらに、トレイシー警部が「ジェイムズが4人の女子高生を殺害した」と発言していたことを聞き、息子・ジェイムズが犯人だと信じてしまい、神の審判を受けさせるべく、殺害したのだった。
結:メメント・モリ
推理を聞き終えた当主・スマイリーは、自身が自殺したことも認め、さらには推理の全容も正しいと判断した。そして、館に火を放ち、ジョン、モニカとともに無に還ろうとするのだった。
グリンは、チェシャの運転するクルマの助手席に乗り、静かに二度目の死を迎えた。
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