「マエストロ!」あらすじ・ネタバレ
2015.02.15 (Sun)
簡単なあらすじ
1) 名門オーケストラの解散で職を失ったヴァイオリニストで、コンサートマスターの香坂(松坂桃李)は、中央交響楽団を再結成に伴い、力を貸して欲しいと言われる。
2) だが、そこに集まったのは負け組楽団員たちと、素性の分からない指揮者・天道(西田敏行)、アマチュアフルート奏者・あまね(miwa)だった。
3) 最初は酷い演奏であったが、天道は楽団を一つにまとめ上げ、コンサートを大成功させる。その翌日、観客のいないコンサートホールで、天道は病気で入院している妻・ハルのため、演奏を行うのだった。
起:交響楽団の再結成
ヴァイオリニストで、コンサートマスターの香坂(松坂桃李)は、名門オーケストラで活躍していたが、不況で解散。職を失っており、雇ってくれる楽団を探していた。だが、なかなか見つからず、ミュンヘン交響楽団からの不採用通知を受け取っていた。
そんな彼に、「中央交響楽団を再結成するので、力を貸して欲しい」という誘いの電話があった。しかし、練習場は廃工場、集まってきたのは再就職先も決まらない負け組楽団員たち、そしてアマチュアフルート奏者・あまね(miwa)だけだった。
プロとは思えない酷い演奏になっていることに不安を覚える香坂だったが、そこに謎の指揮者・天道(西田敏行)がやって来る。彼は再結成を企画した張本人だが、経歴も素性も不明。さらには下ネタを連発し、指揮棒の代わりに大工道具を振り回すなどという男だった。
また、実際に楽団員が練習している傍ら、大工仕事を行なっていた。戸惑う楽団員だったが、実は彼はコンサートホールに音を近づけるため、練習場に音響板を取り付けていたのだった。
承:天道の過去
あまねは、阪神大震災で父親を失くし、不遇な家庭環境に育っていた。また、他の楽団員たちも、当然のことながらアルバイトで食いつないでいるような状態だった。
天道は、それぞれの問題を抱えた楽団員たちに1人1人、目を向け、励まし、問題を解決していく。
一方、スポンサーの降板という知らせが届き、楽団員たちの不安が募った。さらには、「天道はサギを働いてクラシック界を追われた」という噂が広まり、天道に対する猜疑心が強くなっていった。
だが、コンサートホールのマネージャーである相馬(松重豊)は、「天道さんはサギには関わっていない」と語る。香坂の父親もコンサートマスターで、その彼が所属する楽団の指揮者は、天道だった。その香坂の父が、コンサート前に倒れ、普段から厳しく楽団員にあたっていた天道は反発を受け、結果、ボイコットされてしまったのだった。
転:香坂の決意
スポンサーの降板で、コンサート中止が決定されようとしていた。だが、ホールマネージャーの相馬、チェロの榊涼子(河井青葉)らは、スポンサー探しに奔走していた。
人気のない廃工場。そこで、ただひとり天道は指揮棒を振っていた。そこへ、いつしか1人、また1人と楽団員が集まり始めた。だが、香坂はそこに再び戻ることを躊躇していた。そんな彼に、あまねは天道がたびたび見舞っている病院に連れて行く。そこには、天道の妻がおり、彼女は香坂に「何か、弾いて」と頼む。そこでの演奏で、父、そして天道の昔の姿を思い出した香坂に、あまねは天道が「天籟(てんらい)」と書いた譜面を渡す。
香坂は父親に、「演奏が終わった後、何も音のない瞬間があり、そこで、宇宙の揺らぎが聴こえる…それが天籟(てんらい)だ」と聞かされていた。その天籟を聴くべく、香坂は演奏することを選ぶ。
結:天籟(てんらい)
コンサート当日、ホールは満席であり、多くの観客が押し寄せていた。天道の指揮で、『運命』が演奏される。演奏が終わると、しばらくの沈黙の後、「ブラボー!」の声とともに、堰を切ったかのようにスタンディングオベーションが起こった。
翌日、コンサートがまた予定されていたが、天道の姿が開演時間になっても見当たらなかった。また、客席には観客が1人もいなかった。そこへ、車椅子に乗せた妻・ハルを連れ、ようやく天道が現れる。
天道は、妻・ハルのために演奏を聴かせてやりたい、と言い、楽団員たちに協力を頼む。素晴らしい演奏の後、香坂はホールの中で瞬く星々を見る。香坂も、「天籟」を聞いたのだった。
演奏が終わった後、天道は、香坂に尋ねる。「君も天籟を聞いたか?」と。
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