天才探偵ミタライ 難解事件ファイル「傘を折る女」あらすじ・ネタバレ
2015.03.07 (Sat)
簡単なあらすじ
1) 御手洗潔(玉木宏)は、作家の石岡和己(堂本光一)に、不可思議なラジオに投稿されたエピソードを聞かされる。そのエピソードとは、白いワンピースの女が、雨の降る日、傘を畳んでずぶ濡れになり、その傘をクルマに轢かせ、折って壊していたのだという。
2) 御手洗は、女が血液を浴び、そのワンピースを洗濯した後、濡れたままの状態のワンピースに理由付けするために、傘を折って雨でずぶ濡れになったのではないかと推理する。その推理のとおり、近所では殺人事件(被害者・祖父江宣子)が起こっていた。だが、白いワンピースを着ていた女(町家歌子)も現場で遺体で発見された。
3) 事件の流れとしては、以下のようなものだった。
・バスジャック事件で、下川雪恵が殺害される。雪恵が犠牲になったのは、祖父江宣子が1人だけバスから逃げ出し、逆上した犯人にターゲットとされてしまったためだった。
・だが、祖父江はその事実を隠し、1人だけで警察に通報した功労者としてマスコミに扱われていた。
・そのことに納得の行かない雪恵の娘・雪子は、祖父江に母に謝罪し、世間にバスジャック事件の真相を明らかにして欲しいと言うが、祖父江は、雪子が強請りにきたのではないかと思い、包丁で襲われてしまう。揉み合いの末、雪子は祖父江を殺害してしまう。
・事件現場の証拠隠滅を図り、雪子は現場を離れる。血痕が途切れた直角の痕は、祖父江の飼っていたハムスターのゲージだった。ゲージの中に、自身の髪の毛が入ってしまったと考えた雪子は、そのゲージをゴミ捨て場に捨てたのだった。その後、御手洗の推理通り、赤い傘を折る。だが、その赤い傘を持っていたため、娘を女性に赤い傘で殴打された町家歌子に犯人と勘違いされ、襲われてしまう。揉み合いの末、町家歌子は気絶。だが、町家歌子が死んでしまったと思った雪子は、汚れた白いワンピースを町家歌子の服と代え、逃亡。だが、町家歌子は意識を取り戻し、傘に書かれた祖父江の氏名と住所をたよりに、祖父江の自宅へと向かった。
・町家歌子は、祖父江の自宅で、ハムスターに噛まれ、アナフィラキシーショックで死亡してしまったのだった。
4) 故郷で自殺しようとしていた雪子を、御手洗は止める。雪子は自首し、バスジャック事件の真相は明らかになった。
起:傘を折る女
御手洗潔(玉木宏)は、天才的な頭脳を持つ、脳科学者にして名探偵。石岡和己(堂本光一)は御手洗の親友であり作家。石岡は、ラジオで聞いた謎めいた話を御手洗に聞かせる。それは、あるリスナーが目撃した話で、白いワンピースを着た髪の長い大人の女性が、土砂降りの雨の中、傘を閉じたという。
女性は手に小さなビニール袋を提げ、交差点に立っていたが、信号が青に変わっても歩道を渡る気配がなく、信号が赤に変わりそうになったところで、畳んだ傘を車道に置いて塀の影に隠れた。車が傘をよけていくと、女性は傘を車道の中央に置き直し、ようやく車が傘をひくと、その女性は折れ曲がった傘を拾い、雨の中、立ち去ったという。
御手洗が好きそうな謎めいた話を披露できて満足な石岡だったが、御手洗は、瞬時に女性の謎の行動の原因を解明する。「女性は、白いワンピースを洗濯し、濡れたまま着て外に出なければならなかった。そのため、その濡れたワンピースに理由をつけるため、雨でずぶ濡れになり、傘が壊れて折れた状態を作り出したのだった」と御手洗は指摘する。
女性は、殺人事件の現場で血液を浴び、ワンピースを洗濯する必要があったのではないか、と御手洗は推理する。御手洗は自身の仮説を証明するために、深夜にも関わらず、警察に殺人事件が起こったはずと連絡をする。すると、翌朝、御手洗の仮説通りに、遺体の第一発見者から警察に通報が入った。
承:白いワンピースの女の遺体
刑事である堅川みさと(坂井真紀)と高橋義彦(勝村政信)と共に、現場検証を行う御手洗と石岡。事件現場となったマンションの室内には、御手洗の仮説通り、部屋の住人である祖父江宣子の刺殺死体が横たわっていた。祖父江は、頸部を鋭利な刃物で一突きされ、失血死していた。
しかしながら、室内には御手洗の仮説を上回る状況が発生していた。マンション室内の別の部屋に、御手洗が犯人と目していた白いワンピースの女性の死体もあったのだった。御手洗は、「ありえない」とつぶやく。
御手洗は、事件現場の洗濯機とワンピースの女性の衣服にルミノール反応があるか調べさせる。
御手洗は、白いワンピースの女が祖父江宣子を刺殺し、血液を浴びた白いワンピースを洗濯し、濡れたままの白いワンピースに理由付けするために傘をクルマに轢かせて壊したのではないかと推理した。だが、白いワンピースの女は、遺体で発見された。
なぜ事件現場に白いワンピースの女は舞い戻り、しかも死んでいたのか、御手洗は納得がいかない様子だった。
転:赤い傘
2日後、御手洗はスリッパがあまりにキレイな状態であったため、白いワンピースの女が念入りに証拠隠滅を図ったことを指摘する。さらに、玄関に足跡痕があったため、白いワンピースの女は、現場に舞い戻って、その足跡痕を消すことができる間もなく殺害されたのではないか、と推理した。
また、血痕が直角に途切れた形跡があったため、白いワンピースの女は、"何か"を現場から持ち去った可能性があった。だが、ラジオのリスナーの目撃証言では、白いワンピースの女は、その"何か"を持っている様子はなかった。
祖父江と遺体で発見された白いワンピースの女(町家歌子)に、接点はなさそうだった。祖父江は派手な生活を送り、町家歌子には家庭があり、娘思いの母だった。だが、娘を思うあまりか、モンスターペアレントのように近所の警備を警察に依頼していた。というのも、町家歌子の娘が、赤い傘を持った女に殴打されるという事件が発生していたためだ。同様に、子供を狙った事件が近所で多発していた。その赤い傘は、祖父江が持っていた傘に似ていた(児童を狙った犯人は、別に逮捕されている)。
町家歌子の女は、司法解剖の結果、外見的に致命的な外傷などの所見はなく、心疾患・頭蓋内病変などは見当たらなかった。
御手洗は、町家歌子を殺害し、現場から逃げた第3の女がいるのではないか、と推理する。白いワンピースを乾かしていたところ、雨が降ってきたため、外に出た。だが、あまりに目立つ傘を選んでしまったため、使わないで済むように、傘を折ったのだった。
結:第3の女
祖父江は、バスジャックされたバスに乗っていた。そのバスからコッソリと抜け出し、通報したのが祖父江だった。その事件があったため、祖父江は一躍時の人となった。だが、その行動が原因で、1人の乗客が犠牲となったのだった。
その犠牲者の女性・下川雪恵の葬儀では、母一人子一人で育ったという娘・雪子(小西真奈美)が参列者に向け、母を偲ぶ挨拶をしていた。母親は、雪子の司法試験合格を祝うために上京しようとしており、そのため、バスに乗ったのだという。
町家歌子の指には、小さなキズがあった。町家歌子は、ハムスターのアレルギーによるアナフィラキシーショックで死亡していた。
御手洗は、餌となるひまわりの種が落ちていたことや、血痕が直角に途切れた形跡は、そこにハムスターのゲージがあったのではないか、と推理する。祖父江がハムスターを飼っており、犯人に持ち去られたのではないかと考えたのだった。
御手洗は、犠牲者の女性・下川雪恵の娘である雪子に会う。雪子は、白いワンピース姿で、祖父江に会いに行った。そこで、祖父江を殺害した。返り血を浴びた雪子は、白いワンピースを洗濯し、さらには事件現場の指紋などの証拠隠滅を図った。
毛髪が入ってしまった可能性のあるハムスターのゲージを持ち出し、ゴミ捨て場に捨てた。さらに、赤い傘を持って事件現場を出た雪子は、派手な傘で目立つことを恐れた雪子は、傘が折れて使えなくなったと見せようとしたのだった。
だが、その道すがら、町家歌子が襲いかかってきた。その赤い傘から、娘を襲った犯人だと雪子を思ったのだった。格闘の末、町家歌子は頭部を打って気絶してしまう。だが、雪子は町家歌子が死んだと思い、泥だらけの白いワンピースでは目立つと思い、町家歌子の衣服と変えて、帰宅したのだった。
町家歌子は意識を取り戻し、赤い傘に書かれた氏名と住所から、祖父江の自宅へ向かう。そこで、ハムスターに噛まれてしまい、アナフィラキシーショックを起こし、死亡したのだった。
雪子は、バスの運転手から、母親が殺害された経緯を聞いていたのだった。祖父江は、「トイレに行かせて。絶対に帰ってくるから」と言い出し、逃げ出したのだった。だが、帰ってくることはなく、バスジャック犯は逆上し、雪恵を殺害したのだった。
雪子は、祖父江に「母の墓前で謝って欲しい。本当のことを語って欲しい」と言いに行った。だが、祖父江はそれを拒否。さらに、雪子が強請りに来たと思った祖父江は、包丁を持ち出し、襲ったのだった。殺害されそうになった雪子は、祖父江と揉み合いの末、彼女を殺害してしまった。
雪子は、母と過ごした地元で自ら命を絶とうとしていた。御手洗は、雪子に「それは法律家として恥ずべきことではないですか?」と問いかける。結果、雪子は自殺を思いとどまり、自首することとなった。また、バスジャック事件の真相は明らかとなった。
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