「チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像」あらすじ・ネタバレ
2015.03.26 (Thu)
簡単なあらすじ
1) 日本初となる国際Aiセンターの発足に向けて準備が進む中、東城医大に8人の遺体と1名の生存者が運び込まれる。彼らは、重水を飲まされていた。また、東城医大に「三の月 東城医大病院とケルベロスの塔を破壊する」という脅迫状も届けられた。
2) この事件の背景には、薬害訴訟が関わっていた。薬害により家族を亡くした医療ジャーナリストの別宮葉子(桐谷美玲)が、復讐のため、製薬会社の役員らや薬を審議した大学教授らを殺害しようとしていたのだった。
3) 国際Aiセンターが稼働する日、大規模な東城医大へのハッキングが行われる。騒然とする中、別宮が犯人として現れる。彼女の書いた薬害にまつわる記事は、大きな注目を浴びることとなった。
起:国際Aiセンターと8人の遺体
日本初となる国際Aiセンター(注釈:Aiとはオートプシー・イメージングの略であり、死亡時画像診断の意味である)発足の目玉として、MRIの「リヴァイアサン」の導入が決定された。顕微鏡レベルの解像度を誇り、まさに現代医療の怪物としてふさわしい巨大な機器は、世間から大きな注目を集めていた。
国と自治体、東城医大が三位一体で取り組む死因究明システムの一大改革に、東城医大の心療内科医・田口公平(伊藤淳史)と厚生労働省でAi導入を推進する白鳥圭輔(仲村トオル)が奔走していた。
国際Aiセンター稼動日に開かれる大講堂でのシンポジウムは、10日後に迫っていた。そんな中、東城医大に9体の変死体が搬入されてきた。唯一の生存者は、瀕死の状態であった。
承:死因解明
司法解剖が行われるが、原因不明だった。現場は別荘の地下室であった。その別荘の所有者は、白鳥の上司である船橋だった。亡くなったのは製薬会社の役員ら4人、中央薬事審議会に所属していたこともある大学教授ら4名も亡くなっていた。唯一の生存者は、内科開業医の医師だった。
速水(西島秀俊)が中心となり、生存者の救命措置が行われる。滝沢医師(松坂桃李)は、内科開業医の特異な症状に気づく。彼は、相貌失認だった。相貌失認とは、顔をパーツでは見ることができるが、顔を顔として認識することができない疾患である。
国際Aiセンター長である東堂文昭 教授 (生瀬勝久)は、リヴァイアサンで遺体の死因を探る。結果、重水(質量数の大きい同位体の水分子を多く含み、通常の水より比重の大きいもの)が死因であることを突き止める。
転:届けられた脅迫状
東城医大には、「三の月 東城医大病院とケルベロスの塔を破壊する」と記された脅迫状が届く。ケルベロスとは、ギリシア神話に登場する三つの頭をもつ冥界の番犬で、ケルベロスの塔は死への入り口、すなわちAiセンターを意味するものだった。
田口は、脅迫状の送り主が、亡き桜宮巌雄院長の娘・桜宮すみれではないかと思い、北海道へ向かう。だが、すみれは田口に会おうとはしなかった。
一方、変死した8人と生存者1名の関係性も明らかになった。薬害訴訟で、勝訴となった件について、会議が行われようとしていた最中、あの事件が起こったのだった。
脅迫状のこともあり、厳戒警備の中、Aiセンターのオープニング・セレモニーが行われる。東堂の基調講演に、すみれも出席していた。そこで、巌雄医師の親友であったという病院長が、「東城病院でオペを受けた患者が、最近、亡くなった。遺骨の中から、鉗子が発見された」と、術後に体内に置き忘れられた鉗子があったという医療事故を明らかにする。
この手術に白鳥が研修医として関係していたことをすみれは告発する。白鳥は、病院が隠蔽したこの事実を黙っていたのだった。その事実を突き付けられ、白鳥は患者遺族に謝罪する。
その時、モニターの電源が切れる。大規模なハッキングが東城医大に対して行われていたのだった。パニックとなるその中で、田口は犯人を探し、屋上へ向かう。そこには、医療ジャーナリストの別宮葉子(桐谷美玲)の姿があった。彼女こそが、薬害事件に携わった10人を殺害しようとしていた犯人だった。
結:医療と薬害
別宮は、内科開業医によって新薬を投与され、家族を亡くしていた。その内科開業医は、相貌失認であるため、再び会った別宮を、患者の家族であると認識することができなかったのだ。「私の家族が亡くなったのに、なんとも思っていないんだ」と思い、今回の事件を引き起こすこととなったのだった。そんな彼女は、目的を遂げ、自殺しようとしていた。
白鳥は、「薬は完璧なものではない。だが、全ての人に副作用が起こるとは限らない。大多数の問題ない人々を放置して、治験を行い続けることはできない」と、医療の限界を語りつつ、別宮に自殺を思いとどまらせようとする。
別宮のネット投稿した記事は、マスコミでも大々的に取り上げられた。東堂教授は、ハッキングによるシステムの強制終了により、リヴァイアサンが再起不能となったため、アメリカへと帰っていった。国際Aiセンターの稼働は、難しくなっていた。
白鳥は、過去の医療事故の件を思い悩み、辞表を提出しようとするが、田口はそんな白鳥を止めるのだった。
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