「セッション」あらすじ・ネタバレ
2015.05.06 (Wed)
簡単なあらすじ
1) 19歳のアンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)は、偉大なジャズ・ドラマーになるという野心を抱き、大学の音楽院に入学する。
2) ニーマンは、フレッチャー教授(J・K・シモンズ)の目に留まり、心身ともに追い詰められるような凄まじい練習を行う。だが、フレッチャー教授率いるバンドのコンテスト出場直前、ニーマンは事故に遭う。怪我をしながらも出場するが、まともな演奏ができず、止めたフレッチャー教授に殴りかかり、ニーマンは退学となる。
3) ニーマンは、大学側に要請され、フレッチャーの行き過ぎた指導を密告。フレッチャーも、大学を追われる。だが、ニーマンはフレッチャー教授と後に再会し、プロの演奏家たちのいるバンドに臨時で入ることを誘われる。
4) だが、その誘いはフレッチャーの罠だった。スカウトマンたちのいる中で恥をかかされるが、逆にそこでニーマンは鬼気迫る演奏でフレッチャーを驚かせるのだった。
起:フレッチャーによるスカウト
19歳のアンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)は、偉大なジャズ・ドラマーになるという野心を抱き、全米屈指の名門校シェイファー音楽院に入学する。
ニーマンは、フレッチャー教授(J・K・シモンズ)の目に留まりたいと考えていた。彼が指揮するスタジオ・バンドに所属すれば、成功は約束されたも同然だからだ。
ある日、一人で練習するニーマンの前に、フレッチャーが現れるが、ほんの数秒聴いただけで出て行ってしまう。数日後、ニーマンのバンドのレッスンに顔を出したフレッチャーは、メンバー全員の音をチェックすると、主奏者のライアン(オースティン・ストウェル)を差し置き、「明日、6時に来い」と、ニーマンにだけ自分のバンドに移籍して練習するよう命じる。
承:地獄の練習
寝坊して慌てるニーマンだったが、練習は実は9時からだった。待つこと3時間、異様なまでの緊張感に包まれた教室で、レッスンが始まった。フレッチャーが生徒たちを恐怖で支配する中、トロンボーン奏者が僅かな音程のズレを責められ、その場でクビとなる。
「17小節の4拍目」のテンポが違う、と怒りで豹変したフレッチャーにパイプ椅子を投げつけられたニーマンは、ビンタでテンポを矯正され、悪魔のごとき形相で罵られる。
泣いて帰ったニーマンだが、翌日から、その悔しさをバネに肉が裂け血の噴き出す手に絆創膏を貼ってひたすらドラムを叩き続ける。ニーマンの母は、彼が幼い頃に家を出て行った。音楽以外は何の興味もなく、友達もいないニーマンにとって、今は別々に暮らす高校教師の父と映画館へ行くことが唯一の娯楽だった。
その映画館の売店でバイトをしているニコル(メリッサ・ブノワ)に、ニーマンは声をかけ、食事に誘う。ニコルと初々しいデートを重ね、ニーマンはニコルと交際することになる。
転:主奏者に抜擢
スタジオ・バンドが出場したコンテストで、ニーマンは主奏者からスコア(楽譜)を渡されるが、それを紛失してしまう。主奏者は、暗譜しておらず、「出場できません」とフレッチャーに言い、結果、暗譜していたニーマンが出場することになる。
翌日から、フレッチャーは主奏者をニーマンに任命する。だが、フレッチャーは、有頂天のニーマンを、再び残酷なまでに奈落の底に突き落とす。新たな主奏者候補として、ライアンを新たな主奏者候補として連れてきたのだ。
ニーマンは怒りと焦りから、ニコルに「偉大な音楽家になるには君が足手まといだ」と別れを切り出す。
ある夜、フレッチャーは、3人の候補の中から主奏者を決めると宣言、手から血を流し、フラフラになりながらひたすら演奏を続ける候補者たち。やがて真夜中もとうに過ぎた頃、フレッチャーはニーマンを主奏者に決める。
コンテストに向かう最中、ニーマンの乗ったバスがパンクする。仕方なく、ニーマンはレンタカーを借りて会場に向かうことにした。フレッチャーに「別の者を出場させる」と言われるが、ニーマンは「これは、俺が勝ち取った出場だ!」と突っぱね、あくまで自分が出場するのだと主張する。
だが、ニーマンはレンタカー屋にスティックを忘れていた。そのスティックをとりに戻り、ステージに上がる時間が迫る中、再び会場に向かう。そこで、ニーマンの運転するクルマが、横からきたトラックにぶつかり、横転する。
事故に遭って、流血しながらも、ニーマンは会場に走って向かった。その姿に驚きながらも、フレッチャーは指揮を始める。だが、ニーマンは指を骨折しており、まともに演奏できなかった。結果、フレッチャーに止められる。
ところが、演奏できない悔しさを爆発させたニーマンは、フレッチャーに殴りかかる。結果、ニーマンは大学を退学処分となってしまう。
結:フレッチャーの復讐
退学となったニーマンは、父親の紹介で所属していた大学の職員に会わせられる。実は、フレッチャーに厳しい指導を受けた生徒が、自殺しており、その件を重くみた大学側は、「再び同じような生徒を出さないように」と、フレッチャーに処罰を与えようとしていたのだった。
ニーマンは、最初は戸惑っていたが、大学側に要請されるがまま、フレッチャーの問題行動を"密告"することとなった。結果、フレッチャーは大学を去らなければならなかった。
ニーマンは、あるジャズバーで、フレッチャーが演奏しているところを目撃する。気づかれないように店を出ようとするが、フレッチャーはニーマンに声を掛けた。「今、プロのバンドを指揮しているが、ドラムに良いヤツがいない。代わりに、叩いてくれないか」との誘いだった。
ニーマンは迷いながら、了承した。曲は、フレッチャーに指導されていたものであり、その曲を演奏するのだという。ニーマンは、ニコルをコンサートに誘うが、ニコルは既に彼氏がいる、と断られる。
ニーマンは、コンサートに臨むが、その第一曲目に驚く。全く知らない曲であり、他の楽団員はその楽譜を持っていたが、その楽譜すらニーマンには渡されていなかった。全くなすすべなく、デタラメな演奏をニーマンはせざるを得なかった。そのコンサートは、スカウトマンなども多数おり、そこでの失敗は、ドラマーとしての死を意味していた。
フレッチャーは、ニーマンに近づき、「私を舐めるなよ。密告したのはお前だろ」と囁く。これは、フレッチャーの復讐だったのだ。
ニーマンは席を立ち、呆然として父親に抱きしめられる。だが、ニーマンは再びドラムの前に座る。そして、フレッチャーの曲紹介が始まる前に、ドラムを叩き出す。その鬼気迫る全身全霊のドラム演奏に、フレッチャーら他の楽団員も、曲を演奏せざるを得なかった。
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