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米澤穂信「満願-死人宿」あらすじ・ネタバレ

2015.06.06 (Sat)

簡単なあらすじ


1) 主人公は、恋人・佐和子が職場でパワハラを受けていたにも関わらず、理解を示さず、佐和子は仕事を辞めて姿を消してしまった。その後、佐和子は、叔父の温泉宿で勤めていた。
2) その温泉宿は、「死人宿」という呼び名があり、自殺者が後を絶たなかった。主人公は、その宿に泊まり、佐和子に「遺書の忘れ物が脱衣場にあった。誰のものか突き止めて、思いとどまらせたい」と言われる。
3) 主人公は、書き損じの破片から、持ち主を特定。自殺を思いとどまらせる。だが、別の宿泊客が自殺しているのが発見され、主人公は止められなかったことを後悔するのだった。

起:佐和子を追って


佐和子は、勤務していた職場で上司からのパワハラを受け、辞職した。そして、その後は叔父の温泉宿で働いていた。そんな佐和子を追って、主人公はその温泉宿に向かった。彼は、佐和子と交際していたが、職場での大変な状況に理解を示さず、何も言わずに佐和子は姿を消した。

その温泉宿には「死人宿」などというありがたくない呼び名があった。というのも、周辺から発生する有毒ガスにより、自殺を試みる人が多くいたからだった。

承:遺書の忘れ物


主人公は、「死人宿」の曰くを聞きつつも、宿泊することにした。佐和子の元気な姿を見るだけでも良いと思ったが、連れ帰りたいとも思い始めたのだった。

泊まっていた部屋に、佐和子がやってきて「脱衣場のカゴに、遺書の忘れ物があった。誰が死のうとしているのか、考えて教えてくれないかしら」と言うのだった。主人公は、佐和子の提案で、作務衣を着て従業員の振りをして、宿泊客の様子を見ることになる。

露天風呂は、入れ替わり制であり、男女どちらであるかは不明だった。また、遺書の内容からも性別や背景などはわかりかねた。だが、「今年で2年、ようやく身を処すことができました」という内容から、生命保険の自殺での免責期間が過ぎたのではないかと考える。

さらに、その免責期間のこともあり、死亡した日も記載してあるべきではないか、と考えた主人公は、「遺書はこれで終わりではなく、もう一枚あり、そこに名前や、死亡する日も書いてあるのではないか」と推理した。

転:書き損じの破片


残りの遺書に、書き損じなどがあり、書きなおしたのではないか。ところが、その書き損じた遺書を、部屋で捨てるわけにはいかず、目につきにくいところで処分したと主人公は考え、探しに行く。脱衣カゴにあったのは、処分する分ではなく、書きなおしたものと一緒にして、遺書として完成させるための一部だったのだ。

主人公は、佐和子に「川に捨てた書き損じに、署名があるんじゃないか」と説明し、探しに行く。白い便箋の切れ端が、落ち鮎を獲る梁にひっかかっていた。切れ端の中に、「丸田」という名前を見つけ、その宿泊客に注意を払うように主人公は指示した。

結:死装束


結果、丸田は実際に自殺しようとしていた。それを無事に止めることができ、丸田は感謝して翌朝、帰っていった。人助けしようと必死になっている様子を見て、佐和子は「あなたも2年で少し変わったのよ」と認めてくれた。

朝食後、主人公は外が騒がしいことに気づく。丸田とは別の宿泊客が自殺を図っており、遺体を引き上げている声がしていた。主人公は、「彼女の部屋には、宿のものとは別の浴衣があった。あれは死装束だったのだ」と気づくのだった。

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