簡単なあらすじ

1) 新聞紙で作られた頭巾を被った姿の男・奥田(生田斗真)は、仲間とともに、罪に問われていないが、悪行を働く者たちに自ら制裁を加えていった。そんな彼らを、警視庁サイバー犯罪対策課のキャリア捜査官・吉野絵里香(戸田恵梨香)は捜査していた。
2) 奥田やその仲間たちは、違法な廃棄物処理場で、仲間の死をきっかけに、今まで酷い目に遭わされてきた社長を撲殺。そこから、シンブンシとして活動を始めた。
3) 果ては政治家にまで制裁を加え、奥田たちは最後の予告を行う。それは、自分たちの死だった。4人は青酸カリを飲む様子を中継していた。吉野刑事はその場所へ踏み込むが、既に奥田は死亡していた。だが、残り3人は生き延びていた。
4) 奥田は、自ら罪を1人でかぶることを提案していた。3人に「奥田に脅されてやっていた」と言わせ、さらに証拠の動画も撮影していたのだった。その上で、奥田だけが青酸カリ、他の3人は睡眠薬を飲んだのだった。

起：シンブンシ

新聞紙で作られた頭巾を被った姿の男・奥田(生田斗真)が、ある予告動画を動画共有サイトにアップロードした。その予告とは、集団食中毒を起こしたものの、法律の穴を突き、開き直る食品加工会社に制裁を加えるというものだった。

警視庁サイバー犯罪対策課のキャリア捜査官・吉野絵里香(戸田恵梨香)は、新聞紙の仮面をかぶっていることから、『シンブンシ』と呼ばれる、例の制裁を予告する者について捜査を始めるが、食品加工会社の工場に現れた新聞紙を被った男たちによって放火され、予告の通りになってしまう。

また、ファーストフード店員が、店の厨房で不衛生な行為をして、その様子を動画に撮って動画共有サイトにアップした。その店員も新聞紙男たちに拉致され、制裁を受けた。その無思慮な行動や言動などのため、ネット上で炎上した者への制裁の予告と実行が度重なり、やり口をまねする者も出現。ついには政治家の殺害を予告する動画までアップされ、『シンブンシ』は社会現象になっていく。

承：ネルソン・カトー・リカルテ

吉野刑事は、動画をアップした元を追跡し、ネットカフェに行き着く。そこには、「ネルソン・カトー・リカルテ」という名前が記載されていた。日本人とフィリッピン人のハーフと思われるたが、入国記録がなく、それ以上に追跡はできなかった。

シンブンシ男こと奥田は、派遣社員としてIT企業で働いていたが、激務を押し付けられた末に吐血。療養する必要があり、結果、解雇されてしまう。その後、ハローワークに通うが、職歴の空白期間を指摘され、なかなか仕事は見つからなかった。結果、違法な廃棄物処分場の社長に声を掛けられ、タコ部屋で生活を送る日々となった。

「ネルソン・カトー・リカルテ」も、そこで働いていた。片方の腎臓を売って渡航費を捻出し、不法入国していた。ネルソンは、体調を崩すも、社長は病院へと連れて行かなかった。結果、彼は死亡してしまう。

社長は、「遺体を埋めろ」と命令するが、仲間の死に対しそのような言葉を吐いた所長に怒りを覚えた寺原慎一(荒川良々)は激怒。所長を金属バットで殴りつけ、殺害する。そして、奥田もまた社長を殴りつけ、仲間全員で共犯となったのだった。

事務所に火を放ち、奥田らは死を選ぼうとしたが、"シンブンシ"として悪を裁く道を歩むことにした。そして、ネルソン・カトー・リカルテはネットカフェで働いていたこともあり内情をよく知っていた。そこで、奥田らは、ネットを利用した劇場型の"制裁"を加えていくことを思いついたのだった。

転：代議士・設楽木

シンブンシとしての活動で、注目を集め始めた奥田は、ついに、テレビでネット批判を繰り広げる代議士・設楽木(小日向文世)をターゲットに選ぶ。

殺人決行時間が迫る中、シンブンシは現れなかった。制裁として、スキャンダルが暴露され、設楽木は政治家としての生命を失ったのだった。

シンブンシの次なる予告は、彼ら4人の死だった。葛西智彦(鈴木亮平)は、青酸カリを所持しており、それを新聞紙の仮面を脱ぎ捨てて4人で飲むのだった。その様子は動画配信されていた。

結：シンブンシの死

吉野刑事らは、動画配信を行なっていた奥田らの居場所を見つけ出す。だが、吉野刑事が踏み込んだところ、既に彼らは横たわっていた。奥田は既に死亡しており、他の3人は生存していた。

息を吹き返した3人は、「全ては奥田に脅されたことだ」と証言する。奥田は、最初から1人で罪をかぶるつもりであった。奥田が3人を脅す様子を撮影し、その上で自分だけ青酸カリを飲んで死亡したのだった。


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