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米澤穂信「満願-関所」あらすじ・ネタバレ

2015.06.13 (Sat)

簡単なあらすじ


1) フリーライターの主人公は、伊豆半島の桂谷峠に取材にやってきた。そこは、次々と人が事故死する峠であり、都市伝説として記事にしようとしていた。
2) 峠のドライブインを訪れた主人公は、そこの店主である老婆に話を聞く。そして、老婆は娘の夫殺しの事実を隠蔽するため、石仏が凶器となったということがバレてしまいそうになると、睡眠薬入りの飲み物を入れて事故死させたことを明かす。
3) 話を聞き終えて、主人公は自身もまた老婆に睡眠薬を盛られていることに気づくのだった。

起:死を呼ぶ峠


フリーライターの主人公は、伊豆半島の桂谷峠に取材にやってきた。長い運転の後、ドライブインで休憩をとっていると、そこの店主である老婆に話を聞くことになった。

その峠では、次々と人が亡くなっており、「死を呼ぶ峠」として、先輩ライターが都市伝説として記事にしようとしていた。ところが、「これは本物かもしれない…」と、先輩ライターはネタ提供を躊躇していたが、主人公は日銭を稼ぐため、取材することになった

承:度重なる事故死


峠で亡くなった人としては、前野拓矢という、静岡県庁職員がいた。観光部に勤めており、峠で運転を誤り、谷底へ落下してしまったのだという。

次は、田沢翔、藤井香奈の男女だという。この男女も、クルマを運転中、谷底に落下して死亡した。田沢は借金を抱えており、親にカネを無心しにきたのだという。ドライブインでも態度が悪く、テーブルの脚を蹴りつけていた。

最後は、大塚史人という大学生で、フィールドワークにやってきた史学部の学生だった。やはり同様の死に方をしていたのだという。

転:老婆の話


ドライブインの店主である老婆の話を、記事に掲載していいか、と主人公は許可をとる。そこで、老婆は峠で亡くなった人として、高田太志という男性がいると話をしだした。実は、高田は老婆の娘の夫だったのだという。

だが、高田は定職にも就かず、ヒモ同然の男であり、さらには妻に暴力も働いていた。そんな夫から逃げ出し、子供を連れて峠にやってきた。そこへ高田はやってきて、「実家にいるのは良い。だが、カネを払え」と言い、子供を連れ去ろうとした。

そんな高田を娘は止めようとして、店の前にあった石仏で高田を撲殺してしまう。老婆の夫は、高田をクルマに乗せ、事故に見せかけて崖の下に落とした。石仏は、殴った衝撃で首が折れてしまったのだという。

不運なことに、その石仏は、地域の観光スポットの一つとして紹介されてしまっていた。接着剤で繋いだが、いつバレてしまうかわからない。そこで、観光資源にしようとしていた前野の計画を止めるため、飲み物に睡眠薬を混ぜて、事故死させた。

さらに、フィールドワークにやってきた大学生は、首の傷があることを気づいてしまい、同じように事故死させるしかなかった。田沢は、テーブルを蹴りつけるだけでなく、石仏まで蹴りつけ、再び首を折ってしまった。そこで、「接着剤でつけた痕がある」と言い出し、責任逃れをするようなことを言い出したため、その事実隠蔽のために、田沢たちもまた事故死させたのだった。

結:薄れゆく意識


老婆は、事実を話し終えると、主人公は既に目を開けていられる状態ではなかった。睡眠薬を盛られ、眠気が襲っていたのだった。

薄れゆく意識の中で、先輩の「だから危ないと言ったんだ」という言葉が浮かんだ。そんな主人公を覗きこんで、「お兄さん、聞こえるかね?まだ、聞こえるかね。…それとも、もうそろそろ、聞こえんかね」と言うのだった。

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