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海堂尊「玉村警部補の災難」あらすじ・ネタバレ

2015.06.16 (Tue)
・東京都二十三区内外殺人事件
・青空迷宮
・四兆七千億分の一の憂鬱
・エナメルの証言

東京都二十三区内外殺人事件


東城大学医学部付属病院で不定愁訴外来を担当している田口公平は、厚生労働省窓際官僚の白鳥圭輔からの要請で、厚生労働省の会議に出席するため上京する。

会議からの帰り道、白鳥と別れた田口は公園で身元不明の遺体がベンチに横たえられているのを発見する。慌てて白鳥のもとへ向かうと、白鳥は慌てる様子もなく、遺体を公園からわずかに移動させ、通報する。その後、白鳥は警察官に監察医だと誤認させ、監察医務院に運び込み解剖を依頼する。結果、他殺体であると判明した。

翌日、田口は再び同じ場所で遺体を発見する。白鳥に連絡をとることもできず、結果、警察に通報すると、今度は警視庁管轄ではなく、神奈川県警が主導で遺体を運び、開業医に検視を依頼することになった。だが、その開業医は解剖も行わず、「心不全」と死因を断定した。

その結果に異を唱える田口は、警察庁刑事局刑事企画課電子網監察室室長・加納達也に連絡し、Ai(オートプシー・イメージング)を実施する。胸部CTの画像から、肺に水が溜まっている状態であり、水死と判断された。

田口が遺体を発見した場所は、神奈川県警が管轄としている場所であり、白鳥が遺体を移動した場所は、警視庁管轄の場所であった。神奈川県警の管轄の場所では、解剖もせず、死因を断定する開業医が検視を担当しているため、その場所を狙って、ヤクザが殺害した人の遺体を放置し、自然死と認定させていたのだった。

青空迷宮


桜宮市のサクラテレビで、「青空迷宮」という企画が行われ、かつて一世を風靡した芸人が参加した。迷宮をいち早く抜けた者に賞金が出るという企画であり、その番組収録中、迷宮内で元お笑いトリオのハイパーマン・バッカス 利根川一郎が死亡していた。

捜査のため桜宮警察署の玉村警部補と加納警視正がやってくる。利根川は、目をボーガンの矢で撃ちぬかれていた。迷宮内には、数多くのカメラが設置されており、犯行が可能なのは、ゲームの参加者であると考えられた。

だが、加納は、利根川と同じく元ハイパーマン・バッカスで、現在はADをしている真木裕太が犯人であると疑う。真木は、迷路の壁の上を通ってカメラに映らないようにして、利根川をボーガンで狙ったのではないかと考えた。

利根川は、偏光レンズを持っていた。普通には見えない矢印が壁に描かれており、偏光レンズを通して見ると、その矢印が現れることを加納は発見する。その矢印によってカメラの死角となる位置に利根川を誘い込み、ボーガンで殺害したのだった。

トリオ解散の原因となり、なおかつネタを盗まれた真木は利根川を恨んでいた。その復讐のため、今回の事件を計画したのだった。利根川には、「優勝賞金の一部をキックバックしてくれれば、優勝させてやる」と提案し、偏光レンズを渡していたのだった。

四兆七千億分の一の憂鬱


夫・白井隆幸と愛人・松原がいる白井加奈という主婦が殺害された事件で、被害者の衣類から採取された検体のDNA鑑定結果が一致したのは、被害者とは何の接点もないフリーター・馬場利一だった。

病院でデータベース化された患者のDNAは、警察からの依頼があった時のみ、情報が開示されるというシステムが構築され、今回の鑑定結果も、東城大学医学部付属病院に警察が情報開示を求め、得られたものだった。

DNA鑑定は絶対であろうと関係者が思う中、加納は疑問を抱いて容疑者のアリバイや関係者の聞き込みを開始する。その調査の中で、フリーターの馬場は、薬の治験のバイトに参加していることが判明する。そして、その治験を行ったのは、被害者の夫・白井隆幸の勤める会社だった。

加納は、「白井が治験で得た検体を妻の遺体に残し、馬場が犯人であると仕立てあげた」と考える。実際、短期間で消失する薬剤が、遺体に留置された血液から検出された。やはり、治験を受けている最中に採取された血液であることが判明した。また、馬場は治験のバイト中、ずっとネットゲームを行っており、犯行現場に向かうことはできず、アリバイも成立した。白井は自供し、逮捕されることとなった。

エナメルの証言


桜宮市では最近、東京から活動拠点を移転してきた新興暴力団・竜宮組の組員が、次々に焼身自殺で発見されていた。だが、桜宮市警察は遺書も存在していることや、歯科医による歯の治療跡の確認による鑑定でも不審な点が見られないとのことで、自殺として処理した。

だが、自殺したとされる鯨岡組長の狡猾な人隣を熟知する加納は、一連の焼身自殺に事件性を疑い抱き、玉村と共に捜査に乗り出す。

歯学部に通っていた栗田は、腕は確かであるが、患者への接し方に難があるとのことで、実習の単位がもらえず、留年。栗田は退学し、非合法組織から遺体の歯の"治療"を請け負うという仕事を始めた。

竜宮組の組員たちは、自らの自殺を偽装し、海外への逃亡を次々に図っていたのだった。手口は、自然死した遺体を用意し、自分の歯の治療痕などを、栗田に命じてその遺体に施す。そして、その遺体を焼いて焼身自殺したように見せかけた。結果、歯の治療痕が同じであると確認され、自分が死んだように偽装したのだった。

栗田は、完璧だがその"治療"には時間がかかった。一方、栗田の師匠を自称する高岡儀助は、仕事は早いが完璧からは程遠く、ズボラであった。竜宮組の蛸島要三に見せかける"治療"は、高岡が請け負った。一見、同じように見えたが、加納がAiを命じたところ、放射線科准教授・島津吾郎は、治療痕が異なることを見破る。結果、蛸島は空港にいるところを逮捕された。

また、死体損壊罪で高岡も逮捕され、間一髪で逮捕を逃れた栗田は、四国に移って仕事を続けることとなった。


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