伊坂幸太郎「ジャイロスコープ-浜田青年ホントスカ」あらすじ・ネタバレ
2015.07.04 (Sat)
簡単なあらすじ
1) 主人公は、スーパーホイホイの空きスペースに建てられたプレハブ小屋で「相談屋」を営む稲垣に声を掛けられ、仕事を手伝って欲しいと頼まれる。
2) 1週間プレハブで寝泊まりし、その1週間後に、稲垣の「あまり会いたくない相手」に、稲垣の振りをして相談を受けて欲しい、という依頼だった。
3) 1週間後、稲垣は、「実は、誘拐犯に『ある人物を1週間、監禁したいけども、乱暴なことはしたくない』と相談された」と明かす。その人物というのは、主人公の名乗る「浜田」という青年のことだった。
4) ところが、主人公は浜田青年を殺害するよう誘拐犯に依頼された殺し屋だった。また、誘拐犯は、さらに稲垣も口封じのために抹殺することを依頼していた。だが、主人公は、その場で稲垣を殺害せず、2人でピックアップトラックに乗って走りだした。
起:相談屋・稲垣
主人公は、スーパーホイホイの空きスペースに建てられたプレハブ小屋で「相談屋」を営む稲垣に声を掛けられ、仕事を手伝って欲しいと頼まれる。1週間プレハブで寝泊まりし、その1週間後に、稲垣の「あまり会いたくない相手」に、稲垣の振りをして相談を受けて欲しい、という依頼だった。
それに伴い、「プレハブの外には出ないで欲しい」「携帯電話を預からせて欲しい」といった条件も付けられるが、主人公は仕事を手伝うことを了承する。
承:相談屋の仕事
稲垣の相談している様子を眺めていると、「業務上知り得た秘密を、どうにか世間に知らせたいが、守秘義務があって言えない」という相談には、「コンピュータにウィルスが感染してしまい、世間にばらまかれてしまうというのはどうでしょうか」などとインが来はアドバイスを行っていた。
また、「ご近所さんを殺害したいのですが、どうしたらいいでしょうか?」という相談には、「運転免許をとりたてで、不幸な事故を起こしてご近所さんを轢いてしまうのはどうでしょうか」などとアドバイスしていた。
稲垣の相談の様子を見ていた主人公は、「誰かのせいにして決着をつけるという手法をとっている」と、稲垣に指摘する。
転:浜田青年にまつわる依頼
1週間後、稲垣は「自分の代わりに、相談を受けて欲しい」と言い、自らが相談の依頼人になって相談を行う。稲垣は、「実は、誘拐犯に『ある人物を1週間、監禁したいけども、乱暴なことはしたくない』と相談された」と明かす。その人物というのは、主人公の名乗る「浜田」という青年のことだった。
だが、実は主人公も浜田ではなかった。主人公は、殺人を生業とする殺し屋だった。誘拐犯から、浜田青年を亡き者にするよう指示され、人知れぬ山奥に遺棄したのだが、思わぬことからあまりにも早く見つかってしまったのだった。
そのことを知っていた稲垣は、浜田と名乗る青年が、実は殺し屋であり、自分を殺害しに来たのだと悟ったのだという。主人公は、実は浜田と稲垣2名の抹殺依頼を受けていた。
結:2人の行方
「引き受けた仕事を全うしなさい」と稲垣は言うのだったが、主人公は「いっそのこと、別の街に行って、そこで2人で相談屋をしませんか?」と提案する。なおも稲垣は「自分を殺害し、私のピックアップトラックに乗って、別の街に行きなさい」と言うのだった。
「願わくば、弓投げの崖から、僕の死体を落としてもらえませんか」と稲垣は言うのだったが、主人公はその場で稲垣の命を奪うことはしなかった。
2人は、ピックアップトラックに乗り、「弓投げの崖に寄っていった方がいいですか?」「それ、相談ですか?」などと会話をしていた。
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