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東野圭吾「天空の蜂」あらすじ・ネタバレ

2015.07.06 (Mon)

簡単なあらすじ


1) 錦重工業小牧工場試験飛行場の第三格納庫から、軍用の巨大ヘリコプター・ビッグBがテロリストに遠隔操作により、奪取されてしまう。ビッグBは、福井県の高速増殖炉「新陽」の上空で、ホバリングしていた。
2) 犯人は、「全国の原子力発電所を全て停止しろ。さもなければ、『新陽』にビッグBを墜落させる」と政府に告げる。
3) 犯人は、錦重工業の原子力技術者である三島幸一と、元自衛隊員で原子力発電所で働く雑賀勲だった。三島は、「父親が原子力発電所で働いている」との理由から息子がイジメられ、自殺を図ったと考え、原子力発電のことについて、世間に問う意味で今回のテロを画策した。雑賀もまた、原子力発電所で働く友人を急性骨髄性白血病で亡くしており、テロを起こすきっかけとなった。
4) 三島・雑賀は身柄を拘束された上、さらに、ビッグBの開発責任者である湯原一彰の機転により、新陽に墜落することは避けられ、事件は収束した。

起:盗み出されたビッグB


錦重工業小牧工場試験飛行場の第三格納庫から、軍用の巨大ヘリコプター・ビッグBがテロリストに遠隔操作により、奪取されてしまう。その日は、海上自衛隊への正式納入を間近に控えた領収飛行が行われる予定だったが、ビッグBは大量の爆薬物を満載したまま、テロリストの遠隔操縦によって、飛び去った。

しかも、運の悪いことに、錦重工業航空機事業本部に勤める山下の息子・恵太が見学にやってきており、ビッグBに忍び込んで遊んでいるうち、奪取事件が起こり、一人で機内に取り残されてしまった。ヘリコプター開発責任者である湯原一彰は、山下の子供を心配するとともに、これから起こる事態に不安や恐怖を抱いていた。

福井県の高速増殖炉「新陽」の上空で、ビッグBはホバリングしていた。錦重工業の関係者や、原発従業員が騒然とする中、犯人から日本政府へ届いた脅迫状には、「現在稼動中や建設中の原発を全て停止しろ、さもなくば巨大ヘリを新陽に墜落させる」という要求が書かれていた。

承:恵太の救出


燃料切れによる、墜落というタイムリミットが迫る中、犯人は子供を犠牲にすることは望まず、政府に「子供の救出を行うため、近くにヘリを近づけることは許可する」と新たな声明を発表する。

自衛隊員は、原子炉の真上でホバリングしたままのヘリから子供を救うという難しい任務に挑む。自衛隊員の乗ったヘリから、ビッグBに向け、ロープを先に付けた矢を撃ち込む。そのロープを辿って、自衛隊員は恵太を救出することに成功する。

湯原や、山下らは子供の無事を知り、安心するが、なおも原子炉の危機は残されていた。

転:警察による捜査


福井県警・室伏刑事らは、新陽で働いていた田辺という男性が、急性骨髄性白血病で死亡し、労災認定の裁判を起こしていたことを掴み、その友人から「ラジコン仲間のサイカワという男が、田辺と仲良くしていた」ということを知る。

反原発運動を行っている者の署名リストの中から、サイカワと似た「雑賀(さいか)勲」という男性が今回の事件に絡んでいるのではないかと室伏らは考える。

一方、錦重工業に勤める従業員の中にも、仲間がいるのではないかと警察は考え、研究施設への入行者リストの中から、本人に身に覚えのない入行記録があった者がいたことを突き止める。リストはシャープペンシルで書かれたものを消し、改ざんされていた。

改ざんを行っていたのは、錦重工業航空機事業第一開発部エンジン開発一課の赤嶺淳子だった。赤嶺は、親しい関係にある男性・湯原と同じ会社の錦重工業の原子力技術者である三島幸一に頼まれ、リストの改ざんを行っていた。

警察は、雑賀と三島を今回の事件の犯人と睨み、行方を追う。

結:三島と雑賀の企て


三島は、息子を列車事故で亡くしていた。だが、息子の死に疑問を持っていた三島は、学校で話を聞いていく内に、父親である三島が原発で勤めていたことを理由に、息子がイジメられていたことを知る。

息子は、イジメを苦にして自殺したのではないか、と三島は考え始めた。さらに、同じクラスに通う、生徒の反原発派の父親に会うと、彼もまた度重なる脅迫めいた電話や手紙に苦しみ、その子供また口がきけないような精神状態となっていることを知る。

「なぜ、原発などというものがあるのだろうか」と三島は考え始めた。ちょうどその頃、三島は、反原発派の集会で雑賀と出会う。雑賀に、会社のIDカードを盗まれ、偽造されたことをきっかけに、雑賀の「ビッグBを盗み出し、テロを起こす」という計画に賛同するようになり、今回の事件を起こすこととなったのだった。

三島は、原子炉のスペシャリストであり、なおかつビッグB開発を行う会社の社員だった。さらに、雑賀は元自衛隊員であり、ヘリの操縦にも詳しかった。

警察は、「新陽」の敷地内で三島を確保する。また、ちょうどその頃、湯原は自衛隊員が、恵太救出の際に撮影したビッグBの内部映像から、「犯人の要求に反して、新陽の原子炉を停止し、ビッグBを落下させている最中、犯人側のコントロールは不能になる。その間、こちらが別のコントローラーでマニュアル操作すれば、ビッグBを動かすことができる」と考えた。

湯原は、それを実行に移すが、オートローテーション(エンジンが停まっても、ゆるやかに降下する現象)を予期していた三島と雑賀は、降下時にローター部分を爆破するようにしていたのだった。急速に落下するビッグBを、湯原は懸命に移動させ、原子炉直撃を避けることができた。

三島・雑賀はともに確保され、三島は警察によって移送される間、「将来、ビッグBが原子炉に落ちた方が良かったと思う日がくる」と呟く。三島は、今回のテロにより、原子力発電の存在について、国民が考えるきっかけになって欲しかったと考えていたのだった。


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