メインコンテンツ 映画のネタバレ ドラマのネタバレ 小説のネタバレ
サイトトップ書籍のネタバレ ≫ 伊坂幸太郎「グラスホッパー」あらすじ・ネタバレ

伊坂幸太郎「グラスホッパー」あらすじ・ネタバレ

2015.07.07 (Tue)

簡単なあらすじ


1) 鈴木は、27歳の元中学校教師であるが、妻をひき逃げ事故で亡くしていた。その犯人は、裏稼業を営む父親の庇護の下、罪に問われることもなかった。
2) 犯人に復讐するため、鈴木は、その男の父親・寺原が経営する会社「フロイライン」に入社する。だが、その目的を見透かされており、教育係から「テスト」されることになる。そのテスト直前、妻を殺害したひき逃げ犯が、目の前で轢かれてしまう。鈴木は、その男の背中を押し出した「押し屋」を追跡するよう命じられる。
3) 「押し屋」は、「劇団」と呼ばれる裏稼業の集団に所属する殺し屋だった。「劇団」は、フロイラインと敵対しており、彼の仲間は、その会社社長である寺原を殺害する。
4) 「劇団」の手により、復讐を果たした鈴木は、塾講師とし再出発することとなった。

起:押し屋


鈴木は、27歳の元中学校教師であるが、2年前に妻を亡くしていた。妻を轢き逃げした男は、裏社会で暗躍する会社「フロイライン」の社長である寺原の息子であり、罪を犯したにも関わらず、その事件は揉み消されてしまう。

犯人が罪に問われることもないと知った鈴木は、寺原の息子に復讐するため、職を辞し、「フロイライン」に入社する。だが、依存性のある薬物入りの"健康食品"を売りつけたり、関わるものを不幸にする行為に罪の意識を感じながらも、鈴木は妻の復讐のため、働いた。

そんな鈴木の教育係である比与子(ひよこ)は、鈴木の身元を調べ真意を試そうとする。カモにした男女2人を眠らせ、拉致した上で、「2人を殺害しろ」と指示するのだった。躊躇う鈴木だったが、そこで事件が起こる。

自分の目の前で、寺原の息子が車に轢かれてしまった。鈴木は、寺原の息子が背中を押され、車道に押し出される様子を目撃した。裏社会には、「押し屋」と呼ばれる殺し屋がいるのだという。

承:押し屋の一家


比与子に命じられるがまま、押し屋を追った鈴木だが、待っていたのは妻と幼い息子のいる家庭だった。思いがけない、「押し屋」の家族に戸惑う鈴木。本当に「押し屋」なのか確認するため、鈴木は「家庭教師」と名乗り、「押し屋」と話をすることになった。男は、槿(あさがお)と名乗り、システムエンジニアであるという。

会社に報告するか迷う鈴木だったが、比与子からは早く「押し屋」の居所を教えろと催促の電話を執拗にされる。仕方なく、比与子に会うことになったが、そこで薬物で意識を失わされ、拉致・監禁される。そこで拷問に掛けられそうになるが、そこで、ナイフ使いの殺し屋・蝉に救われる。

転:鯨と蝉


ターゲットに自殺をさせるという殺し屋・鯨は、梶という衆議院議員に、秘書殺害を依頼される。鯨は、依頼を完遂するが、小心者である梶は、鯨の裏切りに怯え、殺し屋を斡旋する仲介屋である岩西に殺害を依頼する。

鯨は、梶に呼び出されるが、そこに梶は岩西が斡旋した蝉を呼び、始末させるつもりだった。だが、蝉は時間に遅れ、梶の不審な様子から、鯨は梶を返り討ちにする。また、鯨は、梶が連絡をとっていた岩西の元へ向かい、そこで、依頼を受けたのが蝉という殺し屋であることを知る。

蝉は、フロイラインの社員が「押し屋」を探しているという情報を聞き出すため、梶の指定した時間に遅れてしまったのだった。ターゲットを見失った蝉は、フロイラインが血眼になって探している「押し屋」の存在をフロイラインの社員より先に探しだそうと考える。そこで、押し屋の居場所を知っているという鈴木を追跡し、比与子に拘束されたのを目撃し、救出したのだった。

一方、鯨も「押し屋」を探していた。鯨は、過去に始末してきた人間たちの幻聴・幻視に苦しんでいた。そこで、引退を考えていたが、過去に、ターゲット殺害を目前に、「押し屋」に先を越されて悔しい思いをしており、「押し屋」を始末して、心残りをなくしてから引退しようと考えていたのだった。

結:決着


鈴木が蝉に救出されたところ、そこには、鯨が待っていた。2人の戦闘が始まり、鯨は蝉を殺害する。だが、鯨が鈴木のもとへ向かうと、鈴木は姿を消していた。槿(あさがお)が鈴木をクルマに乗せ、救出したのだった。

槿は、自分たちが「劇団」の人間であると明かす。妻も子供も、本当の家族ではなく、そのように演じている裏稼業の人間たちだったのだ。「劇団」は、フロイラインと敵対しており、寺原を始末しようとしていた。

鈴木が冒頭で騙そうとして、比与子がさらった2人は、実は「劇団」の人間だった。スズメバチと呼ばれ、彼らはフロイラインの寺原社長を毒殺した。比与子は「押し屋」により電車で轢死させられる。さらに、鯨は、亡霊たちの声に誘われるように、ライトバンに轢かれて死亡した。

妻の死に関わったものたちが全て死に、鈴木は、広島で塾講師として再出発することとなった。電車のホームで待つ鈴木の反対側のホームで、「押し屋」の子供たち役としていた健太郎と健次郎がいた。手を振ろうとしたところで、電車がやってきてしまい、彼らの姿は見えなくなってしまった。


ネタバレ作品一覧

トップページへ「1分で分かるネタバレ
トップページ  |  15:51  |  書籍のネタバレ

*All archives   *Admin