「アメリカン・スナイパー」あらすじ・ネタバレ
2015.08.23 (Sun)
簡単なあらすじ
1) クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)は、98年にアメリカ大使館爆破事件を契機に、30歳という年齢ながら海軍に入隊し、特殊部隊「シールズ」に配属される。
2) 狙撃兵として優れた才能を開花させたカイルは、桁外れの戦果を上げ、次第に「レジェンド」などと言われるようになる。だが、その一方で賞金首となり、狙われることになる。
3) 戦地から帰国するたびに変わっていく夫の姿に苦しみ、「帰って来ても、あなたの心は戦地にある。人間らしさを取り戻してほしい」と嘆願するタヤの願いもむなしく、カイルの心は蝕まれ、それでも戦地へと赴くのだった。
4) 仲間たちの多くの命を奪った元射撃オリンピック選手の敵スナイパー・ムスタファ(サミー・シーク)を倒し、カイルは除隊する。だが、PTSDにより社会生活に戻れなくなっており、彼はカウンセリングを受ける。傷痍軍人との交流の中で、彼はようやく元の生活に戻れた。
5) カイルは、射撃に一緒に出かけた傷痍軍人に射殺されてしまう。カイルは、国民たちが英雄として見守る中、葬送されるのだった。
起:海軍入隊
クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)は、テキサス州に生まれ、厳格な父親に狩猟を教わりながら育った。そんな彼は、ある時、弟をいじめていた少年を殴り倒し、父親から「世の中には、羊、狼、羊を守る牧羊犬がいる。お前は、羊たちを守る牧羊犬になれ。ただし、狼にはなるな」と教えを受けた。
カウボーイに憧れ、ロデオに明け暮れていたカイルは、98年にアメリカ大使館爆破事件をテレビで観て、愛国心から海軍に志願する。30歳という年齢ながら、厳しい訓練を突破して海軍の特殊部隊「シールズ」に配属される。また、私生活では、タヤ・カイル(シエナ・ミラー)と結婚し、幸せな日々を送っていた。
だが、2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ事件によりイラク戦争が始まり、カイル自身も結婚式の最中、戦地への派遣が決まる。カイルは、初めての派遣で、爆弾を所持していた子供と女性をも狙撃する経験をそこですることになる。
承:レジェンド
狙撃兵として優れた才能を開花させたカイルは、大きな戦果を挙げたことからいつしか軍内で「レジェンド」と称賛されるようになるが、敵からは18万ドルもの懸賞金をかけられるようになる。
過激派組織ISILへと変貌するテロ組織を率いるナンバー2のザルカーウィー(ミド・ハマダ)を捜索する作戦へと参加したカイルは、1 km 級の射撃を行う元射撃オリンピック選手の敵スナイパー・ムスタファ(サミー・シーク)と遭遇する。
戦地から帰国するたびに変わっていく夫の姿に苦しみ、「帰って来ても、あなたの心は戦地にある。人間らしさを取り戻してほしい」と嘆願するタヤの願いもむなしく、カイルの心は蝕まれ、それでも戦地へと赴くのだった。
転:帰還
3度目の派遣で、シールズのビグルス(ジェイク・マクドーマン)は、ムスタファの銃弾が携帯していた銃に当たり、その銃弾を顔面に受けて視力を失ってしまう。一命をとりとめたかに思えたが、手術中に彼は死亡してしまう。また、戦争に疑問を感じ始めたマーク・リー(ルーク・グライムス)は戦死し、強い兄にあこがれて海兵隊に入隊した弟は、イラク派兵で心に深い傷を負って除隊した。
4度目の派遣で、サドルシティに防護壁を建設する工兵を狙うムスタファを倒すという任務を受けたカイルたちは、敵の制圧地帯に展開し、ムスタファを捜索する。工兵を射殺した方向から、ムスタファの所在地を掴み、カイルは仲間に「距離 1,920 m」と報告するが、「周囲を敵が囲んでいる。後方部隊が到着するまで待て」と指示される。だが、ムスタファに殺害された「ビグルスのために」と放った一発の銃弾は、ムスタファを絶命させた。
すぐさま、銃声を聞いた敵が砦を取り囲む。そんな中、カイルはタヤに衛星電話を掛け、「俺は家に帰る」と告げるのだった。砂嵐の中、敵の包囲を突破して友軍の装甲車になんとか乗り込むことができたカイルは、戦場を離れた。
結:悲劇
カイルは、4度のイラク派遣の後に、海軍を除隊する。だが、戦争の記憶に苛まれ、PTSDによって社会に馴染めない毎日を送っていた。ある日、家族とバーベキューを行っていたところ、飼い犬が息子に強めにじゃれているところを見て激昂し、犬に危害を加えてしまいそうになる。
妻の勧めにより、精神科医のカウンセリングを受けるようになったカイルは、傷痍軍人達との交流を続けるうちに、少しずつ人間の心を取り戻していく。
だがある日、同じく戦地で精神を蝕まれてしまった退役軍人の家族に依頼され、彼と射撃訓練に出かける。その直前、カイルは子供たちといつもと変わらぬやりとりをしており、息子に「男だったら家族を守れ」と告げる。
カイルは、射撃に出かけたその男に、殺害されてしまう。カイルは、国民たちが英雄として見守る中、葬送されるのだった。
トリビア
・2012年5月24日に映画製作が発表されることとなったが、その撮影開始前、クリス・カイルは2013年2月2日、PTSDを患う元海兵隊員エディー・レイ・ルースに射殺されている。ルースは、2015年2月24日に仮釈放なしの終身刑が言い渡された。
・スティーブン・スピルバーグが本作を監督することになっていたが、頓挫。結果、クリント・イーストウッドが監督を務めることとなった。
・脚本家のジェイソン・ホールは、カイルが射殺されてからもカイルの妻・タヤと親交を持ち、悲嘆にくれるタヤを支えつづけたという。タヤは、ジェイソンのことを「友人であり、カウンセラーだった」と語っている。当初ハッピーエンドであったはずのストーリーは、悲劇のラストとなった。
・主演のブラッドリー・クーパーは、役作り前は80 Kg台だったが、1日6,000 Kcalの摂取と筋肉トレーニングにより、100 Kg台の体を作り上げた。
・カイルが死亡したシーンは、実在するクリス・カイルの子供達への配慮のため、直接描写せず、文字で説明されたのみである。
・戦地でのシーンは、モロッコで行われた。
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